環境を創る
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草花が茂る緑地には昆虫や野鳥などが集まり、海と陸の狭間に位置する干潟に目を向けると小魚やカニ・貝がいる。 緑地や干潟は生物にとって重要な生息空間であり、生態系を維持するためには必要不可欠な環境である。当社は、生物の生息空間を創出するための研究を進めている。
緑地の創出
緑化は自然に優しい快適な空間を生み出し、人間と生物が共生できる環境を創出する上で重要な役割を担っている。 当社は、緑化を研究するための緑化試験場を設けた。 そこでは生物が共存できる水辺づくりを目指す基礎試験、自然景観と調和する法面緑化の研究、都市部の荒廃した雑木林を再生する実験、踏圧に強い芝生の研究などを行っている。 研究の成果として、屋上緑化用の新しい人工培養土や環境に調和する法面の植成育法を開発した。
干潟の保全
干潟は数多くの海洋生物の生育場所であり渡り鳥にとっては休憩・餌場でもある。 また、水質浄化、大気中のCO2濃度の維持や気候変化の緩和などの機能も併せ持っている。 当社では、早くから干潟生物環境の保全・再生について研究を進めており、干潟に多く生息している代表的な生物であるトビハゼ(魚類)、アサリ(貝類)、チゴガニ(甲殻類)に着目し、それらの生息環境条件を求めるために現地調査と平行して干潟模型による研究を行っている。 干潟模型は、干潟生態系の複雑な要因の解明に有効な手段となり、トビハゼの実験で得られた基礎的なデータは、江戸川放水路での護岸改修工事に役立てられた。
写真は鹿島月報より転載
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