特集:ホテル――都市のホスピタリティ・デザイン

Chapter 1 都市のもてなし空間

街の表情とともに進化するホテルのデザイン。単に“シティホテル”と一言でくくれないほど,その姿は多様化している。複合ビルの上層部に組み込まれることも多く,オフィス階やグラウンドレベルの街並みとは別世界の華やかな空間がスカイフロアに展開する。外国人客も目立つロビーを包むのは,個性豊かなホスピタリティである。
時の移ろいに癒される巨大アトリウム
パークホテル東京

都市のなかでくつろぐ──。自然光で柔らかく包まれ,朝・昼・夕・夜と表情が変わるロビーは,家に帰ってきたようなサービスコンセプトの象徴である。三角形のアトリウム周囲に並ぶ客室は,それぞれに異なる眺望が楽しめ,視界の抜ける角部屋は格別だ。欧米中心に約160件登録の「デザインホテルズ」に加盟。写真はアトリウム(上),外観(右下),客室(左下)。

場所:東京都港区
(汐留メディアタワー 25〜34F 273室)
発注者:共同通信社(建築),芝パークホテル(ホテル)
設計:当社建築設計本部,デ・スィーニュ/フレデリック・トマ(ホテル内装基本設計)
ホテル開業:2003年9月
(東京支店JV施工)
パークホテル東京
国際派へのスタイリッシュな高機能性
ロイヤルパーク汐留タワー

新世代ビジネスマンへの上質なデザイン──。宴会・料飲施設で満艦飾の従来型シティホテルとは全く異なり,宿泊の快適性を高める高機能と空間性を追求している。客室階は静謐な時間が流れ,ロビーには柔らかい光が満ちている。世界ブランドの「マンダラスパ」も併設され(左下),女性客の人気を集める。上の写真は24 階のレセプション。

場所:東京都港区
(汐留タワー B2,1F,24〜38F 490室)
発注者:鹿島汐留開発(建築),ロイヤルパークホテルズ(ホテル)
設計:当社建築設計本部,フォックス・リントン・アソシエイツ,ハーシュ・ベドナー・アソシエイツ
(後2者はホテル内装共同設計)
ホテル開業:2003年7月
(東京支店施工)
ロイヤルパーク汐留タワー
ホテルブランドを一新する素材表現
ホテルサンルート品川シーサイド

東京ベイエリアのパノラマが眼下に広がるロビー──。ビジネスホテルを中心に全国展開するサンルートチェーンの新機軸である。シンプルで伸びやかな空間は,石や木といった自然素材で暖かく構成され,華美な装飾に頼らない“デザインの腕”が光る。りんかい線駅と直結された至便なアクセスも評価され,ビジネス誌での人気ランキングNo.1に輝く。写真はロビーラウンジ(上),外観(左下),客室(右下)。

場所:東京都品川区(品川シーサイド
イーストタワー16〜22F 300室)
発注者:当社開発事業本部(建築),ホテルサンルート(ホテル)
設計:当社建築設計本部,イリア(内装共同設計)
ホテル開業:2004年9月
(東京支店施工)
ホテルサンルート品川シーサイド
現代デザインとして再創造される様式美
ホテルモントレ ラ・スール大阪

欧米を旅慣れた人々の眼に叶う都市の館(やかた)──。多彩なヨーロピアンテイストで全国展開するホテルモントレが,9月2日,大阪に新館をオープンさせる。アメリカン・アールデコを基調としたシックでモダンなトーンが展開し,上層階のアトリウムにはベルギーの歴史的なチャペルを再現。本物を求めたマテリアルは歳月を重ねるほど趣を増してゆく。今後は半蔵門,京都三条烏丸,赤坂にお目見えの予定。CGはラ・スール大阪の完成予想図(上:外観/下:チャペル「セント・アンナ」。下の写真は全国に展開するホテルモントレ)。

場所:大阪市中央区
(マルイトOBPビル 17〜22階 228室)
発注者:マルイト
設計:当社関西支店建築設計部
ホテル開業:2005年9月
(関西支店施工)
ホテルモントレ ラ・スール大阪
ホテルモントレ ラ・スール大阪
Hotel Monterey Stories
外観,内装,家具調度品までを一貫したホテルモントレのデザインは,それぞれに豊かなストーリー性をもち,ヨーロッパの街角の隠れ家のよう。おしゃれな女性客の支持を集めている。(すべて当社設計・施工)
ホテルモントレ山王 ホテルモントレ神戸 ホテルモントレアマリー
ホテルモントレ札幌 ホテルモントレグラスミアハウス ホテルモントレ長崎
ホテルモントレ銀座(増築2004年) ホテルモントレ ラ・スール ギンザ ホテルモントレエーデルホフ札幌
ホテルモントレ ラ・スール福岡    



Chapter 1 都市のもてなし空間
Chapter 2 更新されるブランド
Chapter 3 世界水準のラグジュアリーへ