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空気を冷媒にした冷却システム

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 AIRSの原理は、 空気のみを冷媒として冷却する。 それだけである。 もっと詳しく説明すると、 大気中の空気を吸着器で除湿、 圧縮し、 冷却水や外気で冷却した後、 膨張器で断熱膨張させて 低温空気を作り、 それを冷媒として冷却、 製氷を行うものである。
 AIRSのメリットは、 まず何よりも環境に優しいことである。 使用するのは水と空気と電気。 フロンやアンモニア、不凍液などを一切使用していないので、 周辺に影響を与えない。 爆発も悪臭も汚染もない。 温暖化影響度も少ない。  また、 省エネルギーを実現しやすいシステムでもある。 送風機やポンプが不要なため、 その動力が削減できる。 さらに、 圧縮した空気から熱の回収を行って、 温水や 温風を 取り出すこともできる。 空気の膨張エネルギーを直接動力として 取り出すことも可能である。
 これらに加え、 システム全体がシンプルなので、 トータルコストや ひいてはライフサイクルコストが 低減できる。 結果として ライフサイクルアセスメントが 向上するのである。

スポーツ施設から、さらに広げて

 AIRSは ボブスレーやリユージュのコースの他に、 アイスホッケーリンク、 スケートリンク、 カーリングなど、 冬季スポーツ施設に 幅広く応用できる。 それらを使ったレジャー施設はもちろん、 フロンやアンモニア、 不凍液を使って運営されている既存の施設を AIRSにリフォームすることも可能である。 また、 将来的には冷凍冷蔵倉庫、 超低温冷凍コンテナなどの物流分野、 工場や発電所などの 未利用エネルギー 分野、 体育館、 工場、 イベント施設などの空調分野、 各種車輌のエンジン冷却や 冷房分野へと、 その応用の幅は限りなく広がっていく。
 私たちはこのAIRSで、 クリーンで安全な生活環境を 実現したいと考えている。


写真は鹿島月報より転載

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