現場上空からの全景。 |
●国の機関が地方に分散する
さいたま新都心の建設は,「多極分散型国土形成促進法」(1988年施行)に基づいている。同法は,東京に一極集中している国の行政機関の一部を,地方に分散させることを目的としている。これにのっとり,大蔵省はじめ各省庁の関東甲信越地方を所掌する機関を中心とした一部の行政機関が,東京から移転することとなった。さいたま新都心計画は,これらの機関が入居する官庁施設を中心としたまちづくりである。
●旧国鉄大宮操車場の跡地に
さいたま新都心計画で中核となるのがシビックコア地区である。旧国鉄大宮操車場(1984年廃止)の跡地,面積約48haの一角に立地する。この敷地でまず建設が始まった施設が「さいたま広域合同庁舎」。高層の事務庁舎2棟,中層の検査・実験施設1棟により構成される。このうち当社は,地下2階,地上31階,延べ約123、000m2,通信アンテナまで含めると最高高さ約200mの事務庁舎を施工している。
シビックコア地区完成予想CG 左が当社で施工中のビル |
●気持ちよく働けるような環境づくり
30人以上の社員と500人以上の作業員を率いるのが田原所長である。所長は,「作業を安全に進めることの基本は,気持ちよく働くことのできる環境づくりにある」と強調する。
「ここは建設省発注の建築工事で,ISOのモデル現場になっています。施工品質は勿論,あらゆることがよそと比較されます。しかも電車の窓からよく見える。これまで携わってきたどの現場よりも安全管理には気を遣います」と語る所長の言葉が印象的な現場であった。
さいたま広域合同庁舎の竣工予定は,2000年3月。20世紀最後の春である。
憩いの時。壁には熱帯魚が泳いでいる。 |
<工事概要> | |
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場所 | 埼玉県与野市上落合47 さいたま新都心土地区画整理事業8街区6 |
発注者 | 建設省関東地方建設局 |
設計 | 建設省関東地方建設局営繕部, 日建・東畑・アールティケーエル共同企業体 |
監理 | 建設省関東地方建設局東京第一営繕工事事務所, 日建・東畑・アールティケーエル共同企業体 |
規模 | 鉄骨造,一部鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 地下2階,地上31階,塔屋2階 延べ122、617m2 |
工期 | 1996年3月〜2000年2月 |
施工 | 鹿島 関東支店JV |
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