やすらぎの時を演出するために…

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 人には、視、聴、味、触、嗅という、優れた5つの感覚器官があり、これらが刺激され、満足されてこそ、我々の身体と心はやすらぎとくつろぎを感じる。 よい和風旅館は、人々の五感を満足させるつかの間の空間なのである。
 そんな和の伝統を基調にした旅館建築も、綿密な商品企画から生まれてくる。 宿泊客の嗜好の多様化、市場動向の変化、地域や立地の特性、競合旅館の特色など、旅館事業に関わるさまざまなデータと、顧客が求める旅館像とによって、企画の骨格がつくられていく。 伝統を守りながらも時代の状況と、建物のライフサイクルに応じて増改築を繰り返していく旅館。 伝統と革新、情緒性と利便性、自然と人工など、相反するものの間に、日本人の感性に響く絶妙の調和を求め、宿泊客を心ゆくまで満足させる空間とサービスを実現する。 こうした不断の活動が、和風旅館づくりである。 旅館は、経営者の思想と個性を具体化したものである。 経営と密着し、旅館の繁栄を願い、旅館とともに歩む…しっかりとした商品企画と高い技術力に支えられた当社の旅館建築への取り組みを見てみよう。


写真は鹿島月報より転載

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