具体的な企画の立案…

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 初期段階での企画提案は、旅館づくりの第一歩として、また以後のデザイン展開の基礎づくりとして重要な行為である。 提案はプレゼンテーション資料にもとづき、行われる。
 資料は、日本美をデザインした色鮮やかな表紙にはじまり、地域や宿泊客に関するさまざまなデータ、デザイン主旨、イメージパースなど、多彩な内容を盛り込んでおり、 具体的でわかりやすい構成になっている。 こうした積極的なプレゼンテーションにより、顧客の事業への期待を高め、イメージをふくらませていく。

地域の特性と動向
 立地特性、交通状況、主要観光地、競合旅館などの調査・研究を、プロジェクトごとに行っている。 客観的なデータを重要な計画要素として採り入れ、地域の特性・特色の生かし方の方向を探る。
  客動向の分析
 地域、温泉街区域の人口、日別利用者数、日帰り客の状況、周遊コース、消費動向などの資料を収集・整理。 顧客が計画旅館の規模設定・具体的な経営・営業計画を行いやすくするための支援を行う。
デザイン主旨
 旅館の基本テーマの表現と、多様な顧客の要望を満たすために、プロジェクトをどのようなコンセプトで展開していくかを提示。 各専門分野のスタッフが調査・分析・与条件の整理を行い、基本方針を導きだす。
テーマ・構想
 旅館の個性を追求し、デザインのよりどころとして、地域の文化、歴史、祭りなどの習慣・伝統を効果的に織り込んでいく。 複数の計画案より最適な企画を、顧客とくり返し協議を重ね選択する。
イメージのふくらみ
 計画の初期段階からビジュアルな手法で空間を表現し、顧客のイメージ展開の手助けを行なっている。 設計の意図と施主の要望を早い段階から、すりあわせることで、より具体的な計画実現への方向づけを行う。
 

 


写真は鹿島月報より転載

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