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高低差70mの丘陵地に空港造成

〜大館能代空港本体工事〜

 現在、秋田県北部で、大館能代空港施工が来年7月開港をめざし急ピッチで進んでいる。このうち、当社が担当しているのは敷地の造成工事及び滑走路の舗装工事である。

最盛期の土工の様子。
6輪駆動の重ダンプをはじめ、140台の重機がフル稼動。

●短い工期で大量の切盛土工
 現場一帯は、もともと高低差が約70mもある丘陵地であった。ここに長さ2、000mの滑走路をもつ空港をつくるには、広さ130万m2、切土量延べ720万m3(霞が関ビル約14杯分)にもおよぶ造成を行う必要があった。
 雨が降れば工事はできないし、翌日晴れても、地盤がゆるんでいては工事はできない。実際の稼働日は2年間で約200日程度となる。
 これに対処するため、140台にも及ぶ重ダンプ、重機を導入して24時間体制で作業を行い、最盛期には1日55、000 m3、11tダンプにして約1万台分の切盛作業を行った。

●OAをフル活用
 切盛作業の増大に比例して、品質管理のデータも大量に処理することが必要となった。
 迅速な土質管理データの解析が工程を左右する。この解決策として、現場内にコンピュータを導入、ネットワークをはり、数台のコンピュータを連動させてデータの入力、集計、グラフの作成を行うことにした。

●世界にむけて情報発信
 現場内のOAの体制、環境が整うと、これを利用して外へ向かって情報発信が行われた。まず、現場として日本ではじめて、インターネットのホームページを開いた。また、現場にカメラを設置し、ホームページと連動させてリアルタイムで現場の施工状況を見られるようにした。これには、国内はもとより、海外からも反響があった。

現在の様子。
完成すると、羽田(東京)まで約70分


大館能代空港本体工事
<工事概要>
場所秋田県秋田郡鷹巣町脇神字五右エ門屋布下地内
発注者秋田県
設計秋田県
規模用地造成工事(切土 7,131,400m3 盛土 7,131,400m3 埋土 89,200m3 フィルター工266,500m 法面工124,700m2 法枠工56,400m3 場内排水工 9,020m)
滑走路誘導路舗装工事(舗装工 144,909m2
工期1995年3月〜1998年3月
施工鹿島 東北支店JV


写真は月報KAJIMAより転載

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