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ビルの屋上がお花畑に生まれかわる


−超軽量・資源再利用型の屋上緑化工法−

 このたび,当社・技術研究所の西調布実験場に当社の屋上緑化技術を総まと めした「屋上庭園」を開設した。今月号では,荷重条件が厳しい既存建物の屋上を緑化して,お花畑を実現するための技術を紹介する。

○屋上緑化を阻んできた問題とは
 ビルの屋上緑化には,土の荷重によって建物の構造に負担がかかったり,排水処理を適切に行わなければならないなど,解決すべき複雑な問題が多く実現が難しかった。これに加え,施工性が悪い,植えることのできる植物に制限がある,管理が面倒,イニシャルコストやランニングコストが高い,などの問題点があった。

○軽く,保水力の高い人工の土
 昨年6月にタケダ園芸と共同で,人工地盤緑化培養土「ケーティソイル」の開発に成功。さらに,より薄い土の厚さでの緑化を目指して,「ケーティソイル」を改良したのが,「超薄型軽量培養土」である。「超薄型軽量培養土」は,土の保水力や保肥力に優れ,薄くても植物が生育できるという特長を持つ。これにより,従来困難であった10cm程度の厚さの土で,芝,草花,ハーブや潅木など,多彩な緑化が可能となったのである。


当社技術研究所西調布実験場22号館の屋上(東京都調布市)。
背丈が低く風害に強い花や木、ワイルドフラワー、ハーブなどを
超薄型軽量培養土に植えて実証実験を重ねている。

○資源の循環・再利用
 西調布エコルーフガーデンは,床材に間伐材を再利用したウッドパネルや廃タイヤを再生した表層材など廃棄物の再利用品を積極的に導入していることも大きな特長である。
屋上庭園から出る刈り草などを堆肥化し,現場でリサイクル活用している。

○ビルのオアシスとして
 当社では,各種既存建物のリニューアル工事を中心に、屋上庭園導入の積極的な提案を行っている。

 屋上庭園は,都会のビルのオアシスとして,今後幅広い適用が期待されよう。


ガーデンテーブル
プランターとテーブルをセットにし、
車椅子でも気軽にハーブなどに親しむことができる。


写真は月報KAJIMAより転載

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