特集:小倉駅ビル

縁の下の力持ちがあってこそ
−適用された新技術・新工法など−


●高強度鋼材の採用
 モノレールの駅が入るのは、幅40m高さ15mの大空間である。この吹抜け部分を支持している両側の柱とモノレールホームのサポート柱は、大きな荷重を支持する重要な構造部材であるが,部材断面をなるべく小さくするため、従来の鋼材の2倍の強度を持つ高強度鋼材(80k鋼)を使用した。


●フローティング軌道工法の採用
 在来線の1番線は駅ビルの内部を貫き、上部はホテルになる。このため、列車の通過によって生じる振動・騒音対策としてフローティング軌道工法を採用した。長さ165m、総重量1800tの軌道を、防振ゴム40基で浮かして支える構造になっている。これにより、ビルと軌道は絶縁され、列車の振動・騒音は概ね30分の1に低減した。



1番線の線路にはフローティング軌道工法を採用

夜間作業は鉄道工事の宿命。
深夜の作業は終電後から始発までの実質2時間半で行った

昇降客の仮設通路は鋼製のユニットになっている。
駅ビル完成までに30数回切り替えた

●ビルオペレーションドクターの導入  パソコンなどを利用し、空調設備類をきめ細かく運用管理し、エネルギー消費量や室内環境の管理、省エネ制御などを行うのが、当社の開発したビルオペレーションドクターである。設備稼働状況などのデータを把握して蓄積することにより、設備の運用管理を支援し、ビルの合理的な維持管理の提案,異常検知診断などの情報を提供するものである。本システムは小倉駅ビルに初めて導入された。


ビルオペレーションドクター


工事概要
場所北九州市小倉北区浅野1−1−1
発注者九州旅客鉄道、
北九州市、
北九州高速鉄道
設計九州旅客鉄道、
当社設計・エンジニアリング総事業本部、
トーニチコンサルタント(モノレール駅)、
ジェイアール九州コンサルタンツ(南北公共連絡通路)
規模鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造 地下3階、地上14階、塔屋1階
延べ74,772m2
工期1995年7月〜1998年4月
施工当社九州支店JV


より機能的な交通の結節点を       |楽しいショッピングを、憩いの空間を
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