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生ごみを生物処理で中水とエネルギーに

メタン発酵を利用した有機性廃棄物処理技術

 集合住宅、ホテル、レストラン、食品工場などから毎日排出される生ごみ。 これを、メタン発酵処理し、水とエネルギーに生まれ変わらせて再利用しようという高効率・省エネルギー・省スペースの画期的なシステムが開発された。
現在、日本で年間処理される一般廃棄物約5,000万トンの35%は生ごみである。 これらのほとんどは焼却または埋め立て処分されているが、 水分を多く含むため、焼却時に大きなエネルギーが必要であったり、集積場所の汚汁や埋立地での悪臭衛生上の問題などが生じている。 そこで、ごみの減量化、再資源化ならびに生活環境の快適性をも考慮した形での、簡単で衛生的な生ごみ処理のあり方の検討がされてきた。

■メタン発酵による生ごみ処理
     このシステムの主な装置は、生ごみを細かく砕く「粉砕機」、 バクテリアが付着するための担体の入っている「高温メタン発酵バイオリアクター」、 浸漬膜を内蔵した「活性汚泥処理槽」、「エネルギー化設備」で構成されている。
■エネルギーとして再利用できるメタンガス
     普通生ごみを焼却するにはエネルギーを消費するが、本システムではエネルギーを得ることができる。 このシステムを使って生ごみと排水を処理した場合、300lの中水と686Kcalのメタンガスを得ることができる。 メタンガスは浴場、温水プールなどのエネルギーとして再利用できる。
■環境に優しい生ごみ処理技術
     メタン発酵を利用したこの生ごみ処理技術は、環境に優しい、省エネルギー型の処理方法であるといえる。 また、環境に優しいばかりでなく、膜濾過装置を活性汚泥槽に組み込むことによって活性汚泥濃度を上げ、余剰汚泥の大幅な低減や、省スペース化を図ることができる。
ガラス繊維製担体
実証実験装置


写真は鹿島月報より転載

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