建造物のコンクリート表面は、長年風雨にさらされているうちに、排気ガスやほこり、かび、こけなど様々な原因で、年々汚れていく。この汚れは、構造物の美観や景観を損う原因となっており、従来から洗剤を使って水で洗ったり、研磨剤で表面を磨くなどの方法で洗浄が行われてきた。しかしこれらの方法では水の飛散や、洗剤による肌荒れ、粉塵・騒音など様々な問題が生じる。また、昨年のような水不足の時にはコンクリートの洗浄そのものができないなどの問題点もあった。当社技術研究所では、これらの問題を解決する全く新しいコンクリート洗浄方法を開発している。
このパック剤は、建物表面の細かい部分にまで入って汚れをはぎ取り、乾いた被膜には汚れの状況がそのまま転写される。そのため、コンクリート洗浄だけではなく、建物表面につく汚れの摂取などにも用いられようとしている。
当社では今後、この洗浄方法を各方面に積極的に営業展開すべく、技術的な詰めを進めていく方針である。また、洗浄作業の簡素化や、コンクリート以外のタイルや石などの基盤の洗浄への適用についても検討していく予定である。さらに、この新しい洗浄方法を応用し、建物の施工中に表面につく汚れを防ぐために、このパック剤を使用する研究にも取り組んでいく方針である。そして、そのほか多彩なニーズに対応できる技術としてさらなる応用技術に進めていきたいと考えている。
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