多摩川橋梁の景観設計

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 多摩川橋梁は、東京都と神奈川県の都県境を流れる多摩川を横断する東横線の橋である。 当社土木設計本部に色彩検討の依頼がきたときには、橋長387mの橋の構造(複線3径間連続鋼床版橋)は、すでに決まっていた。
 発注者にも地域の人々にも受け入れられるようにするにはどういう色にしたらいいか。 さまざまな角度からの分析と検討が始まった。
「図」になるべきか「地」になるべきか
 橋長387m、桁高3.8mの橋桁全てを赤で塗装するというのが、最初の計画であった。

橋桁をうすく見せる工夫
 この橋の桁高(橋桁の厚み)は3.8mと大きい。その割には、桁下空間は4〜6mと比較的低いのである。 構造物特性の分析から、この形が周辺景観に圧迫感を与えることが考えられた。 桁の重圧感を解消するために、できるだけスレンダーに見せる工夫が必要である。
 フォトモンタージュを製作して、その段階で発注者との協議を行った。

CGから試験塗りまで
 しかし、橋は大きい。架設中の桁を使って試験塗りを行い、色相、明度、彩度について最終調整を行った。


写真は鹿島月報より転載

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