特集:ハイ・ファッション & テクノロジー
紙工作のような白い塔(仮称)青山プロジェクト
ランダムに配置された開口部,丸みを帯びたコーナー部,白く滑らかな表面。これらが三位一体となってコンクリートとは思えない軽やかさを醸し出す
(仮称)青山プロジェクト 現在,東京・神宮前の「こどもの城」の近くで,端正な白いコンクリートの塔の建設が進んでいる。窓の層を数えると20段。しかし,じつは9階建てのビルである。階高6.4mの各フロアに2段の窓が開いているのだ。窓のサイズは7種類。ランダムな配置と,コーナーの丸みが,コンクリートと思えない軽やかな印象を与える。
 通常,コンクリートの仕上げに見られる目地や壁つなぎもシーリング+特殊モルタルやステンレスキャップによって目立たなくし,その上に白色の塗装を施すことで,滑らかな表層をつくっている。
 サッシュの水切りも雨水が表面に流れて汚れないような収まりが工夫された。コンクリートや塗装の品質などにも,美しさを保つ当社の技術が役立っている。
 建築家や発注者,現場の品質に対する強いこだわりが素晴しいデザインを実現させた。まるで紙工作のような軽やかさは,コンクリートのかたちの自由度のこれまでにない表現であり,新たな可能性をつくり出すことだろう。
建物概要
場所:東京都渋谷区/発注者:シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ/設計:青木淳建築計画事務所/用途:商業施設,事務所/規模:RC造一部S造 B1, 9F 延べ4,944m2/工期:2006年11月〜2008年4月
(東京建築支店施工)

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