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環境に負荷の少ない乾燥処理

−高含水廃棄物の省エネルギー乾燥技術を開発−

○やっかいな水を含んだごみ
 水分を多く含む廃棄物、特に汚泥や生ゴミは排出量が多い上に腐敗や臭気の問題もあるため、貯留や運搬を含めた処理全般に多くの問題を抱えている。水分が多く燃えにくいので、乾燥させるには多量の燃料が必要になる典型的なエネルギー消費型の処理技術となっている。当社では水蒸気ヒートポンプによる画期的な乾燥処理技術を開発した。

○水蒸気を圧縮して再利用
 従来の乾燥処理装置では、乾燥の際生じた熱エネルギーを含む水蒸気を大気中に捨てていた。新技術ではこの潜熱を回収して再利用することにより、大幅な省エネルギーを実現する。

○環境と経済性の両立
 水蒸気圧縮機のエネルギー消費量は、ボイラー加熱方式の5分の1以下になることを実験で確認した。このようにエネルギー効率が高いため、CO2の発生をおさて温暖化を防止できる上に、水蒸気が冷媒であるため、地球環境にも望ましいものとなっている。

○広い適用性
 乾燥は廃棄物の最終的な処理ではなく、リサイクルの出発点と言える。今後は、多様な廃棄物への対応技術を整理していくことと並行して、この乾燥・濃縮技術をベースにした新しいリサイクルシステムの構築を提案していく予定である。


写真は月報KAJIMAより転載

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