特集:ミュージアム 山口県岩国市といえば,木造の五重橋・錦帯橋で有名である。その錦帯橋を渡った岩国城下の武家屋敷跡地に,吉川史料館は建てられた。約800年の歴史を持つ岩国藩主・吉川家に伝来した歴史資料,美術工芸品など約7,000点を収蔵,展示する美術館である。
歴史的街並みとの調和を基本とし,要所にモダンなデザインを採り入れている。設計を担当した後藤昭弘氏(当社設計・エンジニアリング総事業本部)は「日本の伝統的な材料を現代風にアレンジして随所にモチーフとして用いた。伝統ある日本建築を再現する作業だったが,古くさいものにはしたくなかった」と言う。重要文化財である長屋門をエントランスに活かし,来場者は回廊を渡って史料館へと向かう。淡路の白砂利が敷き詰められた庭園では,黒御影石の石舞台で能が舞われ,野立も催される。国宝,重文級の宝物の展示については,これまで永く保存されていた既存の土蔵内の収蔵環境を1年半に亘って計測し,展示室内を土蔵内と同じ環境に保つ対応がとられている。
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