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東京のど真ん中で地下鉄駅をつくる

〜営団地下鉄南北線竝g溜池山王駅”新設工事〜

 9月30日、東京都港区赤坂及び千代田区永田町において、営団地下鉄南北線および銀座線の“溜池山王(ためいけさんのう)駅”が開業した。 当社が土木工事および建築工事を担当したこの2路線の地下鉄駅の新設工事の様子を記録をふりかえって紹介する。

4線共通の地上出口

●新駅周辺は政治・ビジネスの拠点
 新駅は、虎ノ門・赤坂・六本木地区の中間に位置する。 周辺は国会議事堂・首相官邸等政府機関、アークヒルズ等大型オフィス、ホテル・マンションが集積する地域である。 本工事は、地下鉄南北線の延伸・新駅開業にあわせ、銀座線にも新駅を設置し、 千代田線・丸ノ内線の既設「国会議事堂前」駅との接続させることによって、地下空間のネットワークを完成させるというものである。

●銀座線に58年ぶりの新駅
 銀座線(渋谷〜浅草)は開業1939年(昭和14年)、営団地下鉄の中でも最も古い路線の1つである。 このため構造躯体そのものの補強が必要とされていた。営業路線の改良工事のため、主な作業は深夜1時過ぎから4時までしかできない。 改良工事自体は87年に着工、以来10年間に渡って行われてきた。 新駅は既存線路を左右に振り分け中央に島式ホームを設置、その下部に改札等コンコースをつくるもの。

ホテル前の杭打工事(南北線)

●丸ノ内線・千代田線の隙間に南北線の新駅を
丸ノ内線(上)と千代田線(下)の間は、断面でわずか6m。 この間に、延伸してきた南北線の新駅を設置する。 丸ノ内線の躯体下部から約1mに新駅躯体を打たねばならず、型枠配筋は人が隙間に潜り込む手作業の極致状態。 また丸ノ内線下を掘削するため、周囲が大雨で水浸しになっても、丸ノ内線のトンネルが浮沈しないようによこだきぐい横抱杭で固定させた。 更に千代田線のシールド上部と駅躯体がぶつかるため、セグメントを一部切断し、駅躯体と一体化した。


南北線ホーム

銀座線ホーム

●総合地上口の完成と彩り豊かなホーム壁画
 既存の「国会議事堂前」駅地上口を改造し、国会議事堂をモチーフにした地下鉄4線共通の総合出入口が設置された。 新駅のそれぞれのホームには壁に絵が描かれ、利用客の目を楽しませる工夫がされている。


7号線新溜池工区土木工事<工事概要>
場所東京都千代田区永田町2丁目
発注者帝都高速度交通営団
設計帝都高速度交通営団
規模延長224.7m、幅18m、深さ18m、
掘削土量73,200m3、鉄筋コンクリート15,100m3
工期91年5月〜96年4月
施工鹿島 東京支店JV

銀座線トンネル改良溜池一工区土木工事<工事概要>
場所東京都港区赤坂1丁目
発注者帝都高速度交通営団
設計帝都高速度交通営団
規模銀座線(鉄筋コンクリート造)延長109m、幅22m 深さ14.8m
南北線(鉄筋コンクリート造)延長88m、幅21.3m 深さ18m
工期87年6月〜96年3月
施工鹿島 東京支店

7号線・銀座線溜池駅(仮称)新設その他建築工事<工事概要>
場所東京都港区赤坂2丁目先
発注者帝都高速度交通営団
設計帝都高速度交通営団
規模地下3階地上1階、鉄筋コンクリート造、 延床17,142m2
工期96年8月〜97年8月 
施工鹿島 東京支店


写真は月報KAJIMAより転載

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