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特定周波数の電波だけを門前払い


−世界初の周波数選択電磁波シールド技術の開発−

 当社は世界で初めて「周波数選択電磁波シールド技術」の開発に成功した。 本技術の応用により,特定周波数帯の電波だけを遮り,ほかの電波はそのまま通すことのできる「電磁波シールドガラス」が完成した。 また,既存のガラスなどに貼り付けることのできる「電磁波シールドフィルム」の開発も進めている。

○すべての電波を遮ってしまうと…
 今回当社が開発した「周波数選択電磁波シールドガラス」の特長は,特定の周波数帯の電波だけを遮り,ほかの周波数帯の電波はそのまま通すことができる点にある。
 仮にビル全体を電磁波シールド化し,電波をすべてシャットアウトしてしまったらどうなるだろう。 室内でラジオを聞くことはできなくなり,携帯型電話はつながらなくなる。
さらには,火災など万一の際に,消防無線や警察無線なども,使用不能に陥ってしまう。 必要な電波はそのまま通し,特定の周波数帯の電波だけを選んで遮らなくてはならないのは,こうした理由によるのである。

○PHS回線を有効に活用するために
 PHSで同時に使用できる回線数は,40程度に限られるため,周波数チャンネルを再利用することにより最大限に活用したい。 同時に機密の漏洩も防ぎたい。このためには, PHSの電波を必要なエリアの中に閉じ込めておくことが求められる。
 このような場合に本技術によれば、フロアや部屋ごとの電波の遮蔽が比較的容易に実現できる。


電磁波シールドガラス
Y字アンテナをガラス表面に印刷している

○複数の周波数帯の電波も同時に
 本シールドガラス,フィルムは,アンテナの長さを変えれば,ほとんどの周波数帯の電波を任意に遮ることが可能である。


写真は月報KAJIMAより転載

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