[2007/6/20]

医薬品生産施設向けCAFMを開発

 鹿島(社長:中村満義)は、このたび長年にわたり培ってきた医薬品施設エンジニアリングとFM(ファシリティーマネジメント)技術を融合した医薬生産施設向け専用の施設管理システム「医薬品生産施設向けCAFM(CAFM:Computer Aided Facility Management)」を開発しました。

 医薬品の製造にあたっては、厚生労働省あるいは米国FDAより、薬事法やc-GMPに従った厳格なコンプライアンスが要求されます。そのため、医薬品の生産以外にも、医薬生産施設の施設や設備廻りについて、医薬品の品質を確保するための検証を行うバリデーション図書や各種の図面、あるいは校正記録などの膨大な量の情報を管理する必要があります。
 また、2005年の薬事法の改正により、大手製薬会社からの製造委託が増加しています。そのため受託製造会社においても、大手製薬会社と同レベルの厳格な管理が必要とされているとともに、大手製薬会社との情報の一元管理も重要な課題となってきています。さらに、2007年における団塊の世代の一斉退職(2007年問題)もあり、施設管理の技術者不足が予想され、IT技術により技術継承していく必要性もでてきています。
 そこで、当社では、こうした顧客のご要望に応えるため、これまでオフィスビルなどの建築・建築設備・什器備品などFM業務で活用してきたCAFMに注目し、医薬品生産施設向けのCAFMシステムを構築致しました。具体的には、医薬品生産施設にCAFMを適用するために、バリデーション業務への対応機能追加などの改良を行いました。

本システムの特徴・機能は、次のとおりです。

  1. 官庁提出書類を含む図面、図書を含む施設・設備・生産機器情報の一元管理
  2. 各設備機器の詳細情報管理、校正記録・履歴管理、バリデーション図書管理
  3. 計画的な修繕を行うための修繕実績及び予算管理
  4. バーコードを利用した設備・機器の位置管理、資産情報管理
  5. GMP査察に対応した現在及び過去のある時点での性能状態や図書類の検索

 本システムは従来、CAFMシステムが対象としてきた建築・建築設備・什器備品などに加え、医薬品製造に必要な図書類などを施設管理業務に沿って総合的に管理することにより、施設管理業務の効率化のみならず、GMP査察対応やバリデーション業務を効率的に支援するものです。

医薬品生産施設向けCAFM

今後の展望

 今後、当社では、積極的に医薬品メーカーへの展開を図っていく考えです。また、現状図面管理サービスや情報化推進サービスなど本システム導入にあたって付随する各種サービスについてもソリューションサービスを展開していきます。

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
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