[2008/03/10]

「クリーン生産環境研究施設」が完成

−電子デバイス関連生産施設などを対象とした多目的クリーンルーム−

  • 最新技術を駆使した多目的対応型のクリーンルーム
  • 高品質・低コスト・短工期・省エネルギーなど顧客ニーズの最適化を検証

 鹿島(社長:中村満義)は、このたび自社の技術研究所内に最高水準のクリーンルーム研究施設を完成させました。ここには、最新の研究開発に対応できる次世代型研究施設として、実際の製造環境に合わせて施設のサイズや性能を可変とした多目的対応型の設備と、施設を管理・運用する最新の監視制御技術を備えており、総合的な生産環境のシミュレーション(模擬実験)が可能です。
 本研究施設の完成を機に、当社独自のクリーン生産環境に関する先端技術の開発・検証をさらに進めると共に、高品質化、低コスト化、短工期化、省エネルギー化など多様化する顧客ニーズへの最適なソリューションの提供を目指し、顧客との共同研究の場として、各種実験・検証を行ってまいります。

技術研究所・西調布実験場20号館

技術研究所・西調布実験場20号館

施設建設の背景

 世界的な市場競争の中にある電子デバイス関連分野では、生産施設の核となるクリーンルームの建設に対し、「製造環境に適した高品質化」、「イニシャル、ランニングを含めた低コスト化」、「製造ラインの早期立ち上げを目指した短工期化」、「省エネルギーとCO2排出量削減」、「装置大型化への対応」、及び「事業継続リスクへの対応」などが求められています。
 鹿島は長年にわたり、それぞれの時代の要請に応えるかたちでクリーンルーム実験施設を設け、電子デバイスやバイオ向けのクリーンルームの研究を積み重ねてまいりました。これまでに蓄積してきた研究成果や技術をさらに展開し、市場競争の激しい電子デバイス分野において、顧客の求める高度なニーズに応えるための実験・検証を行うことを目的として、本施設を建設しました。

施設の概要

 半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)など、生産品目の種別により製造環境の要求品質は異なります。本施設では、各種用途に応じた製造環境の再現を目的として、天井高さ、空気清浄度、気流性状、熱負荷処理方法などを任意に変更することが可能です。また、施設内に設置された多数のセンサーと、それらを統合する監視システムにより、施設内の環境状態や各構成設備のエネルギー消費量をリアルタイムで収集・監視・制御できます。そのため、本施設を用いることで、実際の製造環境を模擬した空間における清浄度や温熱環境などを実測することが可能となり、新規システム開発の事前検証や、それに伴うリスクコントロール、さらには気流シミュレーションの精度向上に役立てていくことができます。

ポイント1:次世代においても十分適応する最高水準の室内環境性能を確保
ポイント2:ランニングコスト削減のための最適運転をアシストする運転管理システムを導入
ポイント3:品質・コスト・工期など多様な顧客ニーズの最適化に応え、多目的用途に対応

今後について

 当社は、本研究施設を活用し、下記の通り、高品質、低コスト、短工期、省エネルギーなどの最新の顧客ニーズに対し、より一層効果的な研究開発を行うことにより、顧客に最適なソリューションを提供していきます。

1.低コスト化・短工期化の実現
 クリーンルームにおける製造装置からの発熱や排気などの生産条件や、空調機の配置や循環風量などの設備条件を変更した場合の清浄度及び温熱環境について、数値流体力学(CFD )シミュレーション手法を併用した信頼性の高い実証実験を行うことにより、必要な生産環境を満足させるための最適な空調機器の容量・配置・台数などを検証します。これにより、要求性能を確実に満足させた上で低コスト化および短工期化を実現します。

2.省エネルギーシステムの開発
 クリーンルームの循環風量や熱負荷処理を最適化するクリーンシステムを開発し、かつ、室内環境(清浄度、温熱環境など)を維持しながら省エネルギー化を図る最適制御システムを開発することにより、クリーンルームの省エネルギー化を実現します。

 なお、当社は現在、調布市飛田給にある技術研究所の建替えに着手するなど、多分野にわたり顧客ニーズに対応した次世代の研究開発のための環境整備を進めております。

クリーンルーム 概要

設置場所:東京都調布市多摩川 1-36-1  当社 技術研究所西調布実験場 20号館
施設概要:規模 160m2(クリーンルーム施設全体)

 

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。