[2009/04/14]

技術研究所の新実験棟が完成

−最先端の研究開発拠点を目指して−

 鹿島(社長:中村満義)は、創立60周年を迎える技術研究所の建替え事業を推進していますが、このほど飛田給研究センターに建設していた新実験棟が完成しました。

 当社の技術研究所は1949年に建設業界で初めて創設され、常に次世代を見据えた研究・技術開発を積極的に行い、経済発展を支えるインフラ整備、日本初の超高層ビルの建設、世界初の制震装置の実用化など社会や顧客のニーズに応えるべく研究を行い、業界をリードしてきました。
 このほど創立60周年を迎えるにあたり、全面的に建替え、社内外の研究者の連携強化を図るとともに、最先端の研究開発成果の創出をもって社会や顧客に還元する研究開発拠点を目指し、飛田給研究センターを再整備するものです。

新しい技術研究所のコンセプトは以下の通りです。

 新実験棟は複数の建物に分散配置していた各種実験機能を集約し、地球温暖化対策、環境浄化、生物・バイオ、新エネルギーなど環境関連分野を中心とした研究開発を行っています。地下2階から地上4階までの実験室は、80m×11mの無柱空間となっており、実験内容の変化や将来のニーズ変化にまで柔軟に対応できるようになっています。

 また、新実験棟は建物自体を新技術の実証実験の場とし、当社の開発成果の早期実用化を図るためのブラッシュアップの場としても機能します。現在は10数件の技術を適用し、継続的に実験を行い、より完成度が高く、顧客が満足できる技術の提供を目指しています。研究者が集中できる環境を創出するための技術のほか、自然エネルギーを多角的に利用した冷暖房システム、多機能型の温室や気象緩和効果機能を強化した屋上緑化など環境分野の最新技術を適用し、来訪者への見学にも対応することを考えています。

 さらに、新実験棟では、研究者同士の知的交流を促進し、分野の違う研究者の出会いの場となる「ナレッジストリート」を設けています。これはコミュニケーションスペースと動線を組み合わせ立体的、かつ連続したオープンな空間で、交流を活発化する企画などとあいまって異分野研究者とのコラボレーション、研究スタイルに応じた柔軟な執務スペースを実現させる次世代ワークプレイスの核となるものです。その他、研究活動の効率化やアイディア創出の一助となる工夫を随所に凝らしています。

 新実験棟の整備に当たっては、当地の自然環境である多摩川、武蔵野の森との調和、共生を視野に入れた、快適環境の創造を目指しています。敷地内のケヤキ、エノキ、サクラなどの高木を保存する里山ゾーン、新たな植栽を施した都市緑化ゾーンを設け、緑のネットワーク(エコロジカルネットワーク)作りから生物多様性を確保した都市の実現を支援しています。

 当社では、現在の厳しい市場環境下においても、これら最先端の研究開発拠点をもとに、社会や顧客のさまざまなニーズに全力で対応し、技術を源泉とした収益力の強化ならびに技術の優位性による受注力強化を目指していきます。

【新実験棟 建物概要】

建築主・設計・施工鹿島
所在地東京都調布市飛田給2-19-1
敷地面積6,590m2
構造規模RC造、地下2階地上4階建
延べ床面積7,007m2
工期 2007年7月〜2008年12月

新実験棟外観
新実験棟外観

ナレッジストリート
ナレッジストリート

無柱の実験空間
無柱の実験空間

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