[2009/11/26]

システム天井照明器具ワンタッチユニット配線工法を開発

〜システム天井工事合理化工法〜

 鹿島(社長:中村 満義)は、システム天井照明器具「ワンタッチユニット配線工法」を開発しました。これは、システム天井照明器具の接続作業をワンタッチで行える「照明配線コネクタ」を、矢崎総業株式会社(社長:矢崎 信二)の技術協力により新規開発品を使用し、品質を均質化すると共に一般作業員での接続を可能にする工法です。従来の工法に比べ作業効率が向上し、コスト削減に寄与します。また、簡易なレイアウト変更等にも有効な工法です。
 今後、鹿島設計施工物件はもとより、他社設計の物件にも積極的に採用していく方針です。

開発の背景

 システム天井工事における照明器具とケーブルとの接続作業は、従来、主任技術者の設置か、有資格者(第2種電気工事士)が行うものとされていました。しかし、今後人口減少に伴う建設労働者不足による有資格者の減少という問題が予測され、電気工事士の確保が出来ないリスクを抱えています。
 また、施工体制は、システム天井の内装工事と、各設備専門工による同時作業となるため、作業効率が悪く、工程短縮・原価縮減の障害となっていました。
 そこで、今回、資格を有しない作業員でも均一した施工品質が確保できる「天井照明器具ワンタッチユニット配線工法」を開発しました。

システム天井
システム天井

施工の様子
施工の様子

 本工法は、照明器具の接続部分に、今回新たに矢崎総業が開発した照明配線コネクタを、あらかじめ工場にて組込実装しておくことで、簡易に同一品質で接続作業を行えるようにした工法です。この配線コネクタは汎用性が高く、あらゆるメーカーの照明器具にも対応可能です。
 また、使用する配線も今回新たに開発し、あらかじめ工場にて電源用ケーブルと制御用ケーブルとをユニット化しています。
 更に、資格が無くても照明器具の取替えが簡単に出来、電気工事士法に抵触しない程度のレイアウト変更が可能な仕様となっています。
 今回開発した新工法では、住宅で採用されている分岐配線【図1】への適用を予定していますが、従来工法である送り配線【図2】にも適用できるように、現在開発中です。

配線イメージと新規開発品

 施工体制としては天井内装工または電工のみで、作業手順通りに効率よく照明器具据付と天井仕上げ工事が完了するため、各作業の手待ち時間がなくなります。また、簡略接続による均一した施工品質を確保でき、最適な生産体制の構築を実現します。

施工体制比較表(例)
施工体制比較表(例)

本工法のメリット

1.品質
2.工程
3.コスト
4.安全
5.環境
6.将来性

今後の展望

 本工法開発過程において、鹿島で施工を担当した2件の新築工事において、コネクタ接続工法の優位性を確認、良好な結果を得ました。今回開発したワンタッチユニット配線工法も、既に数件の新築工事に適用が決まっています。今後は、一般照明へも展開し、多様なニーズにも対応します。
 さらに、鹿島では、本工法の全国的な普及のため、鹿島設計施工物件はもちろん、他社設計の物件にも積極的に採用し、顧客満足を図るだけではなく、建設業界全体の活性化を図っていく方針です。

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。