[2010/10/07]

「いきものにぎわうまち」が
2010年度グッドデザイン・フロンティアデザイン賞を受賞

 鹿島(社長:中村満義)は、財団法人日本産業デザイン振興会主催の2010年度グッドデザイン・フロンティアデザイン賞を受賞しました。 受賞作品は、「4つの指標種を用いた生物多様性都市のデザイン『いきものにぎわうまち』」です。
 グッドデザイン・フロンティアデザイン賞は、持続可能な社会と、生活者中心の社会の実現をめざす意欲的な取り組みを顕彰する賞で、2009年に新設されたものです。 近未来の生活を示唆する「まだ実現されていないものごと」を持続可能な社会の実現という視点から評価し、推奨する新しい賞です。 企業だけでなく、デザイナーやエンジニア、さらには学生などから応募を募り、グッドデザイン賞と同様な審査がおこなわれ、受賞対象を決定します。

●2010年度グッドデザイン・フロンティアデザイン賞
 4つの指標種を用いた生物多様性都市のデザイン[ いきものにぎわうまち ]

 都市部において生物多様性の保全と持続可能な利用を実現するために、ニホンミツバチ、ヤギ、ベンケイガニ、シジュウカラの4つの指標種を用いて、自然の恵み(生態系サービス)を「見える化」し、都市に生活する人々に、わかりやすく伝えることを目的とする生物多様性都市デザインに関するプロジェクトです。
4つの指標種  生物多様性は、地球温暖化と並ぶ地球環境の重要なテーマで、生物多様性の重要性やそれが人間に与える効用・影響はほとんど理解されていません。また、一般に、生物多様性は奥山や里山エリアでの対策が主流ですが、当社は、今後、多くの人口の集まる都市においても自然の恵みが実感できる取組みが求められると考えています。
 そこで、生態系の保全とそのメカニズムの利用技術を研究し、都市において持続可能に自然の恵みを得ることが出来る「生物多様性」都市に関するデザインを実施しました。 ( ※関連サイト:『いきものにぎわうまち』 別ウィンドウが開きます )


【 審査委員の評価 】 (※グッドデザイン賞 オフィシャルHPから引用)
 都市に自生する人間以外の生物と言えば、カラス、ゴキブリ、ネズミといった名前しかでてこない。これらの種は人間社会が生み出した廃棄物や副産物を生命の糧としている。 このプロジェクトは、ヤギ、ニホンミツバチ、ベンケイガニ、シジュウカラといった生物種を上手に活用して、都市の中の生物の多様性を「見える化」させようとする試みである。 都市の緑化によって増加する雑草の除去にヤギを用いたり、虫の発生を、シジュウカラを用いて捕食/被食の関係を再構築することで緩和させたりすることによって、都市生活者が納得できるエコシステムを取り戻そうとする点が評価できる。
 鳥類、昆虫、動物にも参加してもらって都市の循環システムを再構築していこうという試みには人類の都市生活の未来を感じることができる。 将来的には、すでに存在しているカラス、ハト、ダニ、アリといった種との共存も含めたよりホリスティックなエコシステムへ発展させていって欲しい。

 なお、2010年度グッドデザイン賞では、「寮 [ミネベア浅間寮](長野県北佐久郡)」と、「古民家の宿 [料理宿やまざき](福井県丹生郡)」の2件を受賞しました。


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