鹿島(社長:中村 満義)は、このたび、複雑な地盤における構造物基礎や地下工事の合理化・品質向上を目的に、精度の高い地盤情報を得るための技術として、地盤調査車「GEO-EXPLORER(ジオ-エクスプローラー)」を更新しました。地盤調査に必要な装置(油圧削孔・貫入装置、計測装置、データ処理・制御装置等)をまとめてコンパクトに大型専用車両に搭載した地盤調査システムで、複雑な地盤中の支持層や軟弱層の分布状況を早く安く正確に調査することが可能です。今回の新型車導入により、複雑な地盤への適用性(調査精度・効率)が大幅に向上しました。
高品質な基礎を合理的に設計・施工するためには、敷地の地盤条件を把握することが前提条件となります。軟弱地盤に建物を構築する場合、硬質層(支持層)に杭を定着させ、浅部の軟弱層の沈下や地震時の液状化などの影響を回避させますが、そのためには硬質層や軟弱層の分布状況を正確に知る必要があり地盤調査を行います。標準貫入試験を併用したボーリング調査が一般的ですが、費用・工期の制約から調査地点数が限られるため、複雑な地層の分布状況をボーリング調査だけで正確に把握するのは難しいのが実状です。
また、2001年の建築学会の基礎設計指針の改定を契機として、直接基礎と杭基礎を組み合わせた併用基礎など自由度の高い合理的な基礎設計が一般化してきました。近年は、支持力の高い杭の開発が進んだことや、地球環境への配慮から建物規模に応じた合理的な基礎を設計することが強く求められるようになり、正確に地盤特性を把握する必要性が益々高まっています。
当社は、調査に必要な装置をまとめて大型専用車両に搭載した、多地点の調査を効率良く実施できる地盤調査車「GEO-EXPLORER」を16年前に開発導入し、主に複雑な地盤条件の大規模な建設現場に展開し基礎工事の合理化や品質確保に威力を発揮してきました。今回、新たに開発した最新機器を搭載した新型機への更新を行い、より詳細に地盤を把握することを可能にしました。
「GEO-EXPLORER」は世界的に見てもユニークな当社独自の地盤調査システムです。今後、複雑な地盤における基礎・地下工事の合理化・品質向上のための切り札として、コンペ・技術提案において積極的に活用していく考えです。
地盤調査に必要な装置(油圧削孔・貫入装置、計測装置、データ処理・制御装置等)を専用車両に搭載
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