首都直下型地震を想定したBCP訓練を実施
鹿島(社長:中村満義)は、2012年3月10日、東京湾北部を震源とする巨大地震(中央防災会議が想定)が午前7時00分に発生したことを想定したBCP訓練を実施しました。
休日・夜間に大規模地震が発生した際、当社では災害復旧活動の拠点となる本社・支店・寮などに徒歩参集が可能な社員約700名を1次参集および2次参集の要員に任命しています。今回は東日本大震災の教訓から、各拠点が停電、電話等の通信手段が一部断絶、首都圏の公共交通機関は全て不通、主要道路では車両通行規制が行われているという事態を想定し、休日発災時の要員の参集、拠点の立上げ、及び復旧初動活動に関する訓練を実施しました。更にこれとあわせ、首都圏在住者のみならず全国の従業員約1万名を対象に、安否確認訓練を同日に実施いたしました。
当社では、毎年9月に業務時間中の発災を想定した訓練、2月に休日・夜間の発災を想定した訓練を実施してきました。このたび東日本大震災を記憶に留めるべく、従来2月に実施していた訓練を今後は3月11日付近の休日に実施することとしました。
主な訓練内容
■本部・拠点立ち上げ訓練
本部(本社、支店(関東、東京土木、東京建築、横浜))ならびに各拠点(技術研究所、首都圏の社宅・寮)にMCA無線機、ノートパソコンほかの必要備品を設営し、モバイルカード、電子メール、WEB掲示板、「BCMプラットフォーム」(※)などの多様な通信インフラを確保の上、交信訓練を行いました。なお、東日本大震災の教訓から、「BCMプラットフォーム」については停電時でも携帯電話やスマートフォンから現場被災速報を写真付きで入力できるようシステムを再構築し、今回の訓練でその有効性を確認しました。

震災対策本部(本社)の立ち上げ訓練 社宅・寮での災害復旧活動訓練
(※)「BCM プラットフォーム」
地震発生直後に被災状況や復旧対応状況に関する情報を共有する「統合情報基盤」です。
■実践的な復旧活動訓練
従来から実施していた本部・拠点の立ち上げ、社員の安否確認、施工中現場の被害状況確認等に加え、各復旧活動班における初動活動についても、より実践的に訓練しました。
- 停電を想定した訓練
広域な停電を想定し、本部・拠点における復旧訓練ではバックアップ電源による限られた電力下での訓練を行いました。
- 電話の輻輳を想定した訓練
一般の固定電話、携帯電話による通話が輻輳によりかかりにくくなっている状況を想定し、専用ネットワーク回線によるIP電話、メール、WEB掲示板および無線等、様々な通信手段を用いた交信訓練を行いました。
- 支援物資と建設資機材のリスト化と物流拠点の準備
復旧活動を行うために必要な物資と建設資機材を事前リストにより確認するとともに、被災しなかった支店から物資を運搬する想定で、首都圏発災時の物流拠点候補の一つである当社技術研究所において、受入れ体制を準備する訓練を行いました。また、都内の各所への搬送においては、大地震発生時の車両交通規制を踏まえた計画を確認しました。
- 協力会社との連絡体制の確認
顧客からの応急復旧要請等により迅速に対応できるよう、復旧活動が可能な協力会社とその保有資機材を早期に把握する「鹿島協力会社連絡システム」を用いた連絡体制を確認しました。

支援物資の受け入れ訓練(技術研究所)