[2013/06/17]

世界初、クラウドサービスを利用したBIMプラットフォーム
「Global BIM」を構築

〜セキュリティを確保し、世界規模でBIMデータの共有が可能に〜

 鹿島(社長:中村満義)は、NTTコミュニケーションズ株式会社(社長:有馬彰)(以下、NTT Com)の企業向けクラウドサービス「Biz ホスティング Enterprise Cloud」を採用し、高いセキュリティを確保した上でBIMデータを保管、社内外で利用することができるプラットフォーム「Global BIM(商標登録出願中)」を構築、運用を開始しました。
 これにより、世界で初めて、顧客を始め複数企業にまたがるプロジェクト関係者間でデータ共有が可能になり、計画段階から施工、竣工後の維持管理まで一貫して、BIMデータを一元的に管理できるようになります。


開発の背景

 昨今の建設業界で急速に普及しているBIM(Building Information Model)は、属性情報を持った3次元CADデータであり、建設プロジェクトのさまざまなフェーズで活用が期待されています。
 鹿島では、BIMソフトとしてグラフィソフトジャパン株式会社(社長:コバーチ・ベンツェ)の「ArchiCAD」と「TEAMWORK(BIMサーバー)」を利用して、建物を可視化し、合意形成のためのシミュレーション、建築・設備の取り合い確認、施工段階における施工図作成、施工計画等に活用しています。一方、BIMデータは容量が大きく機密性が高いため、データ共有が社内ネットワーク内に限られ、社外のプロジェクト関係者との協調作業が難しいという課題がありました。

従来の課題
従来の課題

「Global BIM」の構築

 建築プロジェクトは複数の企業(顧客、設計、専門工事業者)による協業が基本です。鹿島は2011年度から2年間で国内外70件以上のプロジェクトでBIMを活用してきました。このほど構築した「Global BIM」では、これまで社内ネットワークのみで共有していたBIMデータを、世界で初めて企業を超えたプロジェクト関係者間で共有することを可能にしました。更に「Global BIM」の運用によって、建物の事業計画段階から竣工後の維持管理まで、社内外の関係者によるBIMデータの一元管理を可能にします。
 「Global BIM」の構築にあたっては、NTT Comの「Biz ホスティングEnterprise Cloud」を採用しました。本クラウドサービスが稼動するデータセンターは、高い耐震性と安定した電力設備を持ち、NTT Comが保有するグローバルネットワークを介して海外のデータセンターへのバックアップが可能なため、BCP対策としても万全です。また、サーバーやネットワークのリソースを、ユーザ自身がWeb上の管理画面を通して簡単に変更することができるため、加速度的な増加が予想されるBIMプロジェクトへの対応が可能です。


「Global BIM」を中心とした協調作業のイメージ

「Global BIM」を中心とした協調作業のイメージ

「Global BIM」のメリット

  1. プロジェクト関係者全員の共通プラットフォームとして利用が可能なため、BIMデータの交換を安全に効率よく行うことができます。
  2. プロジェクト関係者が並行してBIMデータの作成や更新ができ、互いの進捗状況が確認できるため、問題をリアルタイムに把握し、タイムリーな対応が可能になります。
  3. 場所や時間に制限されることなく協調作業が可能になるため、海外のモデリング会社の活用や海外プロジェクトにおけるBIMの利用が促進されます。
  4. 「Global BIM」でBIMデータを一元管理することで、最新の建物情報をいつでも利用できるようになるため、竣工後の維持管理やリニューアルなどのファシリティ・マネジメントに活用できます。

今後の展開

 今後、建設プロジェクトにおいては社外の関係者との協業がますます重要になります。鹿島では本年度から全てのBIMプロジェクトで「Global BIM」を運用する方針です。また、BIMのグローバル展開の基盤として海外プロジェクトにおいても活用を予定しています。
 本プラットフォームは、これらの協業の中心的な役割を担うことになりますが、プロジェクト関係者にとって利用しやすいサービスとなるようシステム面、運用面の更なる整備を進める予定です。


プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。