ここから本文です
Top > Student Corner > 5 Questions - 設計者への5つの質問 - > File No.02
5 Questions - 設計者への5つの質問 -
File No. 02
6年次(2015年入社)

金尾 正太郎 Shotaro Kaneo

横浜支店 建築設計部
建築設計グループ

入社時から5年間 商業施設設計チームに所属し、現在は横浜支店建築設計部に所属。ディズニーランドが大好きで、世界中のディズニーランドをめぐっている。2歳から同じ髪型、5歳から同じメガネがトレードマーク。

Q.1鹿島建設を志望した動機は?

A.鹿島の復興支援プロジェクトを間近で体感し、
自分も社会に貢献する建築をデザインしたいと思ったから。

私は東北出身で、大学時代に東日本大震災を経験しました。当時、被災状況調査の講義でまちを訪れたとき、鹿島の手がける復興支援や市街地再開発プロジェクトの様子を間近で体感しました。特に仙台パルコ2の工事は、自宅から敷地が近かったので、完成を楽しみによく眺めていました。そのような経験から、復興や社会発展に寄与する鹿島のプロジェクトに、設計者としてかかわりたいと思うようになりました。

Q.2ご自身にとっての「KAJIMA DESIGN」という環境は?

A.手を挙げればとことん取り組める環境。

入社2年目のとき、担当案件の内装検討を進めるなかで、非常に軽い新素材と出会ったことをきっかけに、地震時の安全性を備えた「超軽量な吊り天井システム」の開発にあたることになりました。部材のピッチや重量を工夫することで、軽量化とローコスト化を同時に実現。特定天井※を回避でき、高く広い天井にも適用可能な製品です。R&Dで、技術研究所、施工者、メーカーと試行錯誤しながら協働し、特許を取得しました。入社前から抱いていた「鹿島は技術開発に強い」というイメージを肌で感じる機会でした。

※特定天井:「脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井」のことで、特定の条件(部材の支持方法、重量、床面からの高さ、室の用途 等)を満たすと該当。

※R&D:研究開発。「Research & Development」の略称。

Q.3今までで一番思い入れのあるプロジェクトは?

A.ところざわサクラタウン。

入社3年目で初めて基本設計から参加したプロジェクトです。ミュージアム、イベントホール、商業施設、ホテル、オフィス、工場、物流倉庫からなる巨大複合施設で、建築というよりひとつの「まち」をコンセプトとしています。ここまで様々な用途が集まる複合施設は珍しいのではないでしょうか。私が担当したのは、イベントホール「ジャパンパビリオン」です。

図版:東所沢公園からの鳥瞰

東所沢公園からの鳥瞰

─ 最もこだわったところは?

ジャパンパビリオンのホワイエ空間です。大小2つのイベントホールがあり、それぞれの使われ方に沿った2つのホワイエ空間が求められました。
角川会長からは「シンプルにつくらず、面白く派手に。"お祭り感"や楽しい雰囲気を出したい。」という自由度の高い要望をいただき、空間の形状、デザイン、素材検討に大奮闘しました。ホールA(定員1800人)には、空間をダイナミックに魅せる高さ10mの斜め壁と、モンドリアンのコンポーネントから発想した祝祭性を表現するカラフルなパネルで来客をむかえる空間、ホールB(定員200人)には、光壁や星空をモチーフにした照明を施し、光の演出でレセプションなどのイベントを引き立てるラグジュアリーな空間を提案しました。施設の顔となる場所ということもあり、お客様と対話を繰り返しながら設計を進めるうちに、気がつけば提案したデザインは16案…。模型・パース・動画・VRなどを状況に応じて使い分け、イメージの共有を重ねたことで、お客様に大変喜んでいただけるホワイエ空間が完成しました。

図版:ホールA ホワイエ

ホールA ホワイエ

図版:ホールA 客席

ホールA 客席

─ 竣工後、ふりかえってみていかがでしたか?

休日に、私も「まちの1人」として、広場や建物の内外をめぐってみると、さまざま場所や空間の表情、それらを楽しむ人々の様子を随所で目にすることができ、設計に携われた1人として喜びをおぼえました。これから各々の場所が影響しあうことで、更なる賑わいが生まれ、ひとつの「まち」として成長し、そして世界の人々を魅了していくことを願ってやみません。

図版:中央広場から本棟・千人テラスを臨む

中央広場から本棟・千人テラスを臨む

Q.4この人はすごい!と思ったのは、どんな設計者ですか?

A.周囲をワクワクさせる設計者。

お客様をはじめ、社内外のたくさんの人との対話を通じてひとつの建築をつくりあげるのが建築設計の仕事です。その過程のなかで、周囲の人をワクワクさせ、気付けばプロジェクトに巻き込んでいる設計者はすごいと思います。その方法は、魅力的なデザイン、ニーズを的確に掴む提案力、優れたプレゼンなど、人によって様々です。自分に何が向いているかは模索中ですが、お客様の希望は最善をつくして実現させることができればと思います。「この人となら一緒につくりたい」、そのようにチームが思ってくれる仕事は必ず良いものになるのではないでしょうか。

Q.5今後の目標を教えて下さい!

A.「懐の深い建築」をつくれる設計者になりたい。

人の生活と密接に関わる建築は、竣工時が完成ではなく、人々につかわれる中で完成に近づいていくものだと考えています。設計段階でお客様の願いを一つ一つ丁寧にくみ取り、お客様が想像できないところに対しては、使い手の気持ちを考え、フレキシブルに対応できる空間を設計者が用意することも大切です。時代のニーズと共に移りかわり、どんどん使い倒されていくような、懐の深い建築をつくっていきたいです。

更新:2021年6月

Student
Corner