水曜会:社内講演会の記録
第92回 2019年2月20日(水)
北山 恒法政大学教授・横浜国立大学名誉教授
脱・近代あるいは非・都市
本講演は、[1]東京の都市構造の特徴を、西欧との比較によって解き明かし、[2]東京において可能な"新しい建築タイポロジー"のあり様を、氏の作品「HYPERMIX」を通して示し、そして、[3]これからの建築を考える上で軸足とすべき考え方を、「脱・近代 あるいは 非・都市」というキーワードを以て丁寧に解説する、という構成であった。
[1]~[3]を通して北山氏が狙ったのは、都市建築の可能性を端的に描き出すことにより、設計部員たちが「建築の価値」と真正面から向き合うきっかけをつくることであり、またその勇気を与えることだったといえるのかもしれない。
複雑さが増す現代において、設計者が建築の価値を適切に測り、デザインを通して明快に表現することは非常に重要だろう。しかし、日々の繁忙に追われるあまり、そういったことから目を背け、淡々と業務こなしている瞬間があるように思える。その先に待っているのは、明確なヴィジョンを持たない”空っぽの建築”の量産なのかもしれない。
氏は、多くの部員が参画している大規模ビルへの批判も交えながら、半ば挑発的に、部員たちを鼓舞した。言われっぱなしは悔しい。気が引き締まる。

北山 恒
- 1950年
- 香川県生まれ
- 1976年
- 横浜国立大学
建築学科卒業 - 1978年
- ワ-クショップ設立
(共同主宰) - 1995年
- architecture WORKSHOP
設立主宰 - 2001年
- 横浜国立大学教授
- 2007年
- 横浜国立大学大学院
Y-GSA教授 - 2016年
- 法政大学教授・
横浜国立大学名誉教授