開発促進のエポックとなる上質で美しいオフィスビル

JR大宮駅前の中規模テナントオフィスである。敷地は、駅前の雑多な繁華街とオフィス街のいずれにも面する。この敷地に内在する二面性を設計の随所に表現した。事業性を高める合理的なプランを追求する反面、光と影をモチーフとした叙情的で、高品位な意匠によって建築作品に昇華している。外装においては、低層部の重厚なPCaルーバーが物体の「本質」を表す一方で、高層部は空を写し取るカーテンウォールにより「現象」を対比的に表す。そのファサードは刻一刻と表情を変える空や、開発が進む街並みを映し込む。洗練された立ち振る舞いには、これからの大宮を象徴する姿と、静かに街の発展を見守る黒子役としての佇まいが期待される。