アクトシティ浜松

鹿島の総合力を結集して完成

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 当社は浜松市主催の 「浜松駅東街区開発事業計画提案競技」 に当社を含めた第一生命グループ案が 入選したことを契機に このプロジェクトを受注した。 アクトシティ浜松は大、 中のホールを擁するAゾーン、 ホテルとオフィスの複合機能を持つ 超高層ビルを中心としたBゾーン、 大空間の展示イベントホール、 地域冷暖熱供給プラント (DHC) を格納するための大規模地下躯体を持つCゾーンなど、 高度な技術力を要求される施設の オン・パレードと言っても過言ではなかった。 更に南側に東海道本線と 新幹線が近接しており、 施工には細心の注意が必要とされた。 各施設の延床面積の合計は 23万平方メートルに上り、 掘削土量は 60万立法メートル、 コンクリート打設量は 26万立法メートル、 鉄骨・鉄筋が計7万tに及んだ。 このような大規模な施工を 3年という期間内で高品質に行うため、 各施工街区の間の円滑な工程調整が 至上命題となり、 数量の平準化を徹底した。 また工場生産した部材を 現場で取付ける工業化工法を できるかぎり採用した。
 Aゾーンでは特殊整備、 舞台機構やパイプオルガンも 一括して受注したため、 建築工事との綿密な工程調整が行われた。 さらにJR線を始めとした 各種の騒音 ・ 振動への対策にも 万全の注意が払われている。 またAゾーンの屋上は 2、000立法メートルの盛土と 3、000株の植栽が施された 日本有数の屋上庭園である。
 Bゾーンの中核を成すアクトタワーは、 卵型の断面を持つ超高層ビルで、 中央のセットバック部には スーパートラスが用いられ、 上下で異なる柱割を持ち、 上層部には 吹き抜けが設置されている。 この複雑な形状を実現するために、 鉄骨建方、 各ピースが 曲面を持つ外装部材の取付けなど、 困難な作業工程の連続となった。
 Cゾーンは DHCプラントを格納するため、 地下躯体の規模が大きく、 地下4階22.5mの深さまで掘削を行ったが、 地下水の多い浜松での大規模な掘削は 困難を極めた。 また躯体工事の工程を短縮するため PC化や工業化工法が 大規模に取入れられた。


写真は鹿島月報より転載

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