東京湾横断道路は、東京湾を横切って神奈川県川崎市と千葉県木更津市をトンネルと橋梁、人工島で結ぶ延長15.1kmの自動車専用道路で、開通すれば川崎・木更津間が車で15分足らずで結ばれる。当社は現在そのうちの川崎人工島西工区と、そこから伸びる川崎トンネル川人北工区を担当している。
川崎人工島は直径98m。そこを発進基地として、4本のシールドトンネルが構築される。川崎方向に伸びる2本の川崎トンネルと木更津方向に伸びる2本の中央トンネルで、掘削外径は14.14m、水深28mの海底下約20mに造られる世界最大口径のシールド工事となる。
東京湾という海の下に造られるこの道路トンネルには、設計から施工に至るまで、前例のない大規模工事と厳しい自然条件に対処するための最先端の技術とノウハウが集められた。また、地震の活発な地域であるため、耐震設計にも特に留意して、地震時のひずみを吸収する設計となっている。
シールド発進のための地盤の凍結防護、シールド仮設備工事などの準備工事は、川崎人工島の内部掘削が完了した時点から始まる。海上輸送されたシールド機による掘進が始まり、11分割されたセグメントが1リングとして設置される。セグメントは1ピースが幅1.5m、長さ4m、厚さ650mm、世界最大の大きさである。耐海水性・止水性を高めるために、高炉スラグ(人工骨材)を添加したコンクリートで作られている。1ピースあたりの重さは10tにもなるため、セグメントの自動搬送・自動組立システムが導入された。また水膨張性シール材で継手面の止水を行い、一次と二次の覆工の間に防水シートを設置して止水性を確保した。工事は一次覆工と並行して、止水シート工、二次覆工を行い、工期の短縮を図っている。
現在、川崎人工島から発進した4機のシールド機の他、浮島立坑、木更津人工島からもそれぞれ2機が発進し、掘削を続けている。
●工事名:東京湾横断道路川崎トンネル川人北工事
●場 所:川崎市川崎区浮島沖合5km
●発注者:東京湾横断道路
●設 計:東京湾横断道路
●規 模:泥水加圧式シールド シールド機外径14.14m、
セグメント外径13.9m、施工延長1,000m(その1工事分)
3.5m幅道路2車線
(東京支店JV施工)
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