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過去から未来へつなぐ保存・復原工事

丸の内駅舎が建設された当時は、杭打ちや鉄骨建方等の作業には建設機械を使用していましたが、それ以外の殆どの作業は職人による手作業で行われていました。今回の保存・復原にあたっては、それらの創建時の仕様・工法を努めて採用します。「駅」「ホテル」「ギャラリー」の外部建具等については、安全性や利便性の向上を考慮し、必要に応じて現代の仕様・工法等で施工します。

創建時[1914~1945]

創建時[1914~1945]
ドーム形状 地上3階建
鉄骨煉瓦造

現在(工事着工前)[1947~2007]

現在(工事着工前)[1947~2007]
寄棟形状 地上2階(一部3階)建
鉄骨煉瓦造

復原後[2012~]

復原後[2012~]
ドーム形状 地上3階建・地下2階
鉄骨煉瓦造、
RC造(一部S造・SRC造)、免震工法

姿をつなぐ

現在ある外壁の姿を保存します。失われた3階部分(切妻部等)、線路側外壁、屋根及び南北ドーム内部の見上げ部分を創建時の姿に復原します。
約100年前の創建時の姿に保存・復原することで、さらにその姿を次の100年へつなげていきます。

南ドーム完成イメージ

南ドーム完成イメージ

ドーム内部見上げも、創建時の装飾を復原

ドーム内部見上げ
ドーム内部見上げも、創建時の装飾を復原

改頁

技術をつなぐ

効率化が優先される現代技術の中で、失われつつある漆喰や擬石塗等の左官、銅板葺等の板金の特殊技能を活かし、かつ現代の技術(安全技術含む)を採り入れ、保存・復原に努めます。
明治・大正の創建時の技術と、昭和・平成の現代の技術が、丸の内駅舎に結集され、将来へ継承されていきます。

見本塗を行った上、擬石塗を復原

擬石塗(外壁)
見本塗を行った上、擬石塗を復原

戦災で傷んだ漆喰塗を調査の上、復原

漆喰塗(ドーム内部見上げ)
戦災で傷んだ漆喰塗を調査の上、復原

残存する銅板葺を解体調査の上、復原

銅板葺(屋根)
残存する銅板葺を解体調査の上、復原

環境へつなぐ

既存天然スレートを丁寧に採取し、新たに復原する屋根に再利用を図ります。
その他にも、外壁の化粧レンガ、既存建具のガラス、中央御車寄の花崗岩を再利用し、環境への負荷軽減に努めます。

既存屋根の天然スレートを再利用

天然スレート
既存屋根の天然スレートを再利用

戦災復興時のガラスを再利用

ガラス
戦災復興時のガラスを再利用

中央御車寄の花崗岩を再利用

花崗岩
中央御車寄の花崗岩を再利用

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構造をつなぐ

既存構造用レンガと内蔵する鉄骨は保存・活用(必要に応じて補強)します。
床は、現代工法のコンクリートに打ちかえます。
新たに復原する3階部分は、SRC造で増築し、外観は化粧レンガ等により復原します。

創設時に打たれた炭殻コンクリートスラブを現代工法で打たれたコンクリートスラブに復原

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