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地上ホームを地下20mに

〜東急・目蒲線目黒駅改良工事〜

 今、東京急行・目蒲線目黒駅では、地上にある現在のプラットホームを、約20m下げて地下化し、営団地下鉄との共同駅およびJR線との連絡地下道を作る工事が大詰めを迎えている。来年4月に完成すると、地下4階がプラットホーム、地下3階がJRへの乗り換えコンコース、地下1、2階は自由通路、出入口となる。


地下4階のプラットホーム
8両分の長さがある

●東横線を複々線にするために
 この工事は、混雑の激しい東急・東横線の複々線化事業に伴うものである。「目黒」と「蒲田」(東京都大田区)を結ぶ目蒲線は、途中「田園調布」「多摩川園」間で、東横線と並走する。この区間の軌条を改良し(当社施工 1995年2月号参照)、東横線の電車の一部を、目蒲線経由で「目黒」方面に向かわせ、東横線を実質的な複々線にするのである。当面は、「日吉」「目黒」間で東横線・目蒲線の直通運転、さらに将来は、営団地下鉄南北線との相互直通運転も行われる。

現在の目蒲線目黒駅プラットホーム
現在の目蒲線は4両編成。現場はこの真下にある。
現在のプラットホームの真下
H鋼で線路を仮受しながら
工事を進める

●モットーはまた来たい職場
 現場は、現在の目蒲線の真下、隣接するJR山手線およびその貨物線との距離が僅か2m、反対側は路地を隔ててビルや住宅が林立するという、空間的な制約が極めて大きい場所に立地する。
 また、ここでは職長会(協力業者の工種ごとのリーダーの集まり)が『また来たい職場にしよう』をモットーに掲げている。ヒヤリハット(事故や災害に結びつきかねない不安全行動)も、ここでは、作業員が職長に提出して職長会でまとめ、職長が全員の前で提出者に発表させるというシステムを採用し、積極的に公表している。一方、大勢の前で話しにくい人達のためには、コミュニケーションボード(現場伝言板)を設置し、社員と作業員、作業員相互の意思疎通の円滑化を図っている。一連の職長会活動が評価され、昨年10月職長会が、11月には職長会の会長個人が、品川労働基準監督署長から表彰された。特に、協力業者の人が個人名で表彰されるのは、全国的にも極めて珍しく、おそらく初めてではないかという。(写真は現場伝言板記入周知状況)


東横線複々線化に伴う目蒲線目黒駅改良工事
<工事概要>
場所東京都品川区上大崎4−2
発注者東京急行電鉄
設計東急設計コンサルタント、
ジェイアール東日本建築設計事務所、
日本交通技術
用途駅舎
規模鉄骨鉄筋コンクリート造、地下4階、
ホーム延長170m
工期1991年4月〜1997年12月
施工鹿島 東京支店


写真は月報KAJIMAより転載

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