テクノプラザ

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列車の安全運行を確保

−東急・目蒲線目黒駅改良工事に適用の新技術・新工法−

 鉄道工事の場合、列車の安全運行の確保、第三者災害の防止は絶対の至上命題である。このため、作業空間も作業時間も大きな制限を受ける。今月号のテクノプラザでは、こうした必要性から現場に適用された新技術や新工法を、目蒲線目黒駅の改良工事の現場から紹介する。

○低重心全自動三軸オーガ機(SMW7500)
 小型の全自動三軸オーガ機は、地下部分の掘削に先立ち、仮受杭をSMWで施工する際に使用した。施工箇所の2m隣には山手貨物線が走り、上部空間はわずか7.5m。地上から数十mの高さになる大型重機では重心が高く、万一転倒すると、重大災害につながる。このため、万全を期し、低空頭(機械の高さが低いこと)、低重心、小型、低振動、低騒音の重機を開発し、導入した。


低重心全自動三軸オーガ機(SMW7500)

○高流動コンクリート
 この地下駅の上には、将来超高層ビルを立てる計画がある。地下の駅舎は、そのままビルの基礎と土台になるため、柱は太く、壁も厚い。鉄筋も太く込み入っているうえに、地下4階の外周壁は、コンクリート打放し仕上げとなっている。
 このため、地下3,4階の外周壁の施工は、バイブレータを使わずに型枠の隅々までコンクリートが充填する高流動コンクリート「HWコンクリート」を採用して、1日最大約300の打設を行った。これにより工期短縮を図り、均質で高品質なコンクリート躯体が完成した。


ユニット化した大型型枠に高流動コンクリートを打設する

○軌道変位計
 掘削工事に伴い、隣接するJR山手線、貨物線の線路の沈下が懸念された。このため、全長300mにわたって沈下計を張りめぐらした。これほどの長さで張ったのは、日本でも例がない。


線路と線路の真ん中のパイプの中に軌道変位計ワイヤーが入っている


写真は月報KAJIMAより転載

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