特集:ハウジング・プロデュース

これからの住宅づくりへ
マーケットインの思想と付加価値創出型技術の融合

 これからの住宅あるいは住宅地づくりには,住み手側の意向にあったマーケットインの思想がますます重要になってくる。安全・快適であることはもちろん,永住性,健康性なども注目されている。それらニーズに応える住宅づくりの思想をどうやって具体化するか,当社ならではの付加価値をつけた技術開発もまた次のステージへと展開されている。



1 長寿命化・高耐久化をめざす
 「長く住みたい」「自由な空間づくりをしたい」こんなニーズに応える100年建築・超高層フリープランの思想とそれを可能にする安全・安心のための技術

◎スーパーRCフレーム構法
 地盤条件を選ばない超高層フリープラン住宅。室内空間から柱・梁をなくし,自由な間取りを実現できる新しい構法。間取り変更を含めたリニューアルにも対応しやすい。制震ダンパを設置することで地震対策も図られている。現在施工中の三井不動産「芝パーク・タワー」に本格導入されている。

◎RCダブルチューブ構造
 建物外周に沿って柱と梁を口の字型(チューブ状)に架構し,内部吹き抜け部にも同様の口の字型構造コアをつくることで,柱・梁が出てこない広い室内を実現。自由な間取り空間が可能になっている。バルコニーや採光面が広くとれるメリットもある。

◎SISS(シィス:鹿島高層壁式免震住宅)
 免震と壁式ラーメン構造を組み合わせたフレキシビリティの高い集合住宅。免震装置によって高層でも鉄骨が不要になり,さらに柱や梁の断面 もスリムになるためローコスト化が可能になる。複数ゾーンごとに間取りのバリエーションが選定可能となる。

スーパーRCフレーム構法 躯体構造概念図
スーパーRCフレーム構法 躯体構造概念図
芝パーク・タワー
芝パーク・タワー

RCダブルチューブ水平断面図
RCダブルチューブ水平断面図

RCダブルチューブ構造室内イメージ
RCダブルチューブ構造室内イメージ
柱梁の出ないすっきりした空間を実現(豊玉北六丁目再開発)

免震装置を設置した志木ニュータウン・ガーデンプラザ壱番館(左)参番館(右),SISSの例
免震装置を設置した志木ニュータウン・ガーデンプラザ壱番館(左)参番館(右),SISSの例
免震装置
免震装置




2 環境共生・健康住宅をめざす
 自然環境の保全と復元・環境共生の視点にたった安らぎ・憩いのための仕掛けづくりと健康的な快適さを求める技術開発

◎ビオトープ
 水生生物や魚が生息する池を中心に,鳥や昆虫のあつまる草花や木々を適正に配置したビオトープ。生態系を活かし自然について身近に学べる場をつくる。

◎シックハウス対策
 ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)による室内空気質汚染対策技術として,空気質の計測・診断技術の開発と,その結果の集合住宅への適用を行っている。当社飛田給C地区社宅(東京都調布市)の健康仕様住戸では,建材別や時間経過別の特性把握や24時間換気による濃度低減の有効性を示すデータが得られている。

ビオトープ
ビオトープ
ガーデンプラザ新検見川では本格的エコシステムの一環として設置されている

当社飛田給C地区社宅
計測の様子
当社飛田給C地区社宅(上)と計測の様子(下)
24時間換気システムを本格導入したシーリアお台場
24時間換気システムを本格導入したシーリアお台場




3 情報化対応住宅をめざす
 技術革新による利便性を体感する情報化社会への対応技術

◎ディア・ネットによるiネットマンション
 マンション内の情報交換ツールとしてイントラネットを主体に利用するシステム。管理組合情報や催しを告知する掲示板・回覧板,来客用駐車場や集会所の予約,定点カメラ映像,住民同志のメール交換等情報機能が付加されている。インターネットへの接続も可能。

ディア・ネット
ディア・ネット
豊玉北六丁目「ディアマークスキャピタルタワー」での事例,一般のテレビ画面で操作できる





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