ドラフト(鋼鉄製の発電機の排水チューブ)が据付けられる部分の躯体構築作業
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●北海道最大の一般水力発電所
滝里発電所は,石狩川水系空知川の水を,滝里ダム(建設中)の右岸上流に設けた取水口から,地下導水路で発電所に導いて発電した後,野花南発電所(既設)の調整池に放水するというものである。
完成すると最大使用水量150/秒,有効落差44.6m,最大出力57,000kWを有する北海道最大の一般水力発電所となる。
当社が施工を担当しているのは,導水路の一部,調圧水槽,水圧管路,発電所および放水路施設である。
準備工事に着手したのは1995年10月で,昨年4月には本工事に着手し,現在は,発電所本体および放水路の構築作業を約60名の作業員で行っている。
●巨大な内空変位と闘いながら
この工事の難しさについて小泉所長はこう語る。
「ここは地質が非常に脆くて崩れやすいのです。
山腹には地滑りの爪痕も残っています。
こうした地質条件の山に,トンネルを掘ったり,立坑を作ろうとすると,地表に近い地盤には,低い方へ低い方へと動こうとする力が強く加わります。
ですから,導水路や放水路のトンネルは押しつぶそうとする力に,調圧水槽の立坑は山麓側にふくらもうとする力に立ち向かう必要があるのです。
内空変位を生じさせる力と,どう闘いながら施工するかがポイントになっています」
●再来年秋に予定される運転開始
当社工区は来年末には完成する。
日本一の星空に育まれた空知川の水によって,滝里発電所の運転が始まるのは1999年10月の予定である。
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滝里発電所新設工事のうち土木本工事(第3工区) <工事概要> | |
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場所 | 北海道芦別市野花南町 |
発注者 | 北海道電力 |
設計 | 北海道電力 |
規模 | 導水路−延長66m, 調圧水槽−外径27.4m,内径25.0m,高さ64.45m,延長50.0m, 水圧管路−延長105.8m(埋設式), 発電所−半地下式高さ46.4m, 放水路−暗渠・開渠 延長58.8m |
工期 | 1995年10月〜1998年12月 |
施工 | 鹿島 札幌支店JV |
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