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駅直上・直下に大規模躯体を構築

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東武北千住駅改良工事

 東京・浅草から群馬県の太田、 伊勢崎や栃木県の日光、 鬼怒川に向かう東武線の、 北千住駅を大幅に改良する工事が進んでいる。 同駅は営団地下鉄日比谷線と共同で 使用されているが、 利用客の増加に伴い、 ラッシュ時にホームが人で埋まるという危険なものである。  改良の概要は、 現状の地平2面4線の駅を3階建てに改良し、 1階を東武線ホーム(2面4線)、 2階をコンコース、 3階を日比谷線ホーム(2面3線)とするものである。 このように分離使用することにより、 列車の増発に対応できるようになるとともにホームの混雑が緩和される。

工区延長約1m

 工事区間は、 駅両端で両線が立体交差や合流をする部分を含むため、 全長約1kmに及ぶ。 また作業スペースは西側に工事用道路(幅6〜10m)が 確保できただけで、 営業線の近接、 直上、 直下の作業と相俟って、 非常に困難な作業の連続となっている。 また駅躯体の鉄骨搬入・建方が最終列車発車後、 軌道内を利用して行われているなど 夜間作業のウェイトが高い。 周辺は人家が密集した市街地であることから 近隣に対する配慮も重要な課題である。  工事は北部、 駅部、 南部の3工区及び建築工事に分けて進められている。 延長が420mと最長だが 作業スペースがほとんど取れない北部工区、 大規模な架線を構築して作業を進める南部工区と、 それぞれに固有の課題を抱えながら 施工に当たっている。

  場所  :  東京都足立区千住旭町42-2
  発注者:  東武鉄道
  設計  :  トーニチコンサルタント
  規模  :  工事延長980m、最大幅34.5m 鉄骨鉄筋コンクリート高架橋17高架
            ゲルバー桁18連 鉄筋コンクリート高架橋5高架他
  工期  :  1992年6月〜1997年3月
                                                             (関東支店JV施工)


写真は鹿島月報より転載

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