新しい都市づくりにむかって

 神戸の街は確かに復旧されていた。しかし,震災がもたらした精神的な苦痛や経済的な打撃は,今もなお人々の生活に影響しているといわれている。神戸は今,震災以前の状態に戻すという復旧から,復興−人々が安全で豊かに暮らすことのできる新しい都市づくり−へ移り始めている。
 兵庫県では,震災を教訓に,被災者をはじめ各界の有識者から提言を集め,被災した市町と連携して「阪神・淡路震災復興計画(ひょうごフェニックス計画)」を策定し,復興事業を進めている。情報通信・医療福祉・国際交流の充実した開かれた都市をめざして,神戸東部新都心やポートアイランド第2期の開発など,具体的なプロジェクトが動き出した。
 当社も,神戸三宮センター街・神戸中央郵便局・明石海峡大橋,またキャナルタウン兵庫O地区などの開発をはじめとして,新しい街・神戸のシンボルとなるようなプロジェクトを手掛けている。



キャナルタウン兵庫O地区
キャナルタウン兵庫O地区(神戸市兵庫区 1999年7月竣工)
JR兵庫駅南側の旧国鉄兵庫貨物駅跡地約5.5haの開発地区。
当社は地下1階,地上37階建の超高層住宅を1フロア3日で施工したことで話題を集めた


明石海峡大橋(神戸市垂水区〜淡路町 1998年4月開通)
明石海峡大橋(神戸市垂水区〜淡路町 1998年4月開通)
全長3,910m,中央支間1,990mの世界最大の吊橋。当社は主塔基礎2Pを施工した




神戸国際港都建設事業 弓木町4丁目地区
第一種市街地再開発事業



 弓木町4丁目地区は,JR神戸線六甲道駅から数分歩いた所にあり,戦後から市民の台所として栄えた地蔵市場が地区の大半を占めていた。その建物の多くが老朽化していたため,以前から再開発が計画されていた。震災で90%以上の建物が倒壊し,その後,地区権利者の協力で仮設建物を建て,再開発事業を本格的に進めてきた。
 この事業は,神戸市内では初めての住居系用途地域内における組合施行の第一種市街地再開発事業である。集合住宅となるE棟(地上21階)とW棟(地上10階),店舗棟,地下3階の大型機械式駐車場が建設される。震災を踏まえ,災害時の生活用水として井戸を掘り,非常用電源を確保するために太陽光発電システムを採用するなどの防災対策もされている。名称は「ラトゥール六甲」。2000年12月竣工の予定である。


完成予想パース
完成予想パース

工事概要
場 所: 神戸市灘区弓木町4
発注者: 弓木町4丁目地区市街地再開発組合
設 計: アール・アイ・エー
用 途: 集合住宅,商業施設,駐車場
規 模: RC造一部S造
地下3階,地上21階(E棟21階,W棟10階)
住戸数158戸延べ16,706m2
工 期: 1998年12月〜2000年12月



震災からの復旧を終えて
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「あのパワーをもう一度」