最新の設計・施工技術

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 当社は、全国のLNG地下タンクの約40%にあたる22基を施工してきており、現在も、東京ガス扇島工場において、容量20万klの地下タンクを施工中である。 最新の設計・施工技術は、大容量化しているLNG地下タンクを、安全に、より早く、より経済的に建設することを可能にしている。
●薄型連壁掘削機
 壁際を幅160mm深さ約3.3mの溝状に連続して掘削し、この中に直接コンクリートを打設し、コンクリート壁を造ることができる機械を開発・実用化。 LNG地下タンクTL−42の建設で活躍した。
●昇降足場
 はね出し足場を備えた自昇降式の足場を開発・実用化。 側壁のセグメント組立、鉄筋建込、外装鋼板取付など躯体工事における足場として使用し、施工の合理化を図った。
高能率、高い安全性、幅広い転用性を持つ昇降足場

●鉄筋組立・建込装置
 側壁の配筋には、鉄筋カゴ方式を採用している。 これは、作業ヤードで鉄筋カゴを製作し、運搬、一括架設する工法である。

●埋設式LNG地下タンク
 従来のLNG地下タンクは、盛土が5〜6mあり、さらに屋根が14〜15mほど突出してしまう。 当社で現在施工中の、「東京ガス扇島工場LNG地下タンクTL21」では、タンクを土中に埋設し、外からは植栽された緑地に見えるようにする方式を採用している。

●低ライズドームの座屈解析
 地下タンクを埋設式にすると、一定容量を確保するための掘削土量が増大し、コストアップにつながる。 このため、屋根の高さは極力低くすることが望ましいが、この場合、座屈が問題となる。 当社では低ライズコンクリート製ドーム屋根の座屈に対する安定性解析手法を確立している。

●エアーサポート工法
 鋼製屋根を側壁頂部に固定後、鋼製屋根を型枠とし、空気圧を支保工として屋根コンクリートを打設する工法。 なお、当社で現在施工中の「東京ガス扇島工場LNG地下タンクTL21」では、 底版上で地組みした屋根をもちあげるのにも空気圧を用いるエアーリフト工法が採用されることになっている。

●地中連続壁掘削機
 LNG地下タンクの土留壁、止水壁として、地下120mにもおよぶ大規模な地中連続壁が採用されることが多い。 地中連続壁を構築するのに、当社では、地質や深度、周辺環境などの多様な施工条件に合わせ、さまざまな掘削機械を取り揃え、効率的で精度の高い掘削を行っている。
地中連続壁掘削機BC-30K


写真は鹿島月報より転載

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