LNG地下タンクTL−42の構造

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 LNGは、体積を小さくするため、−162℃という極低温で貯蔵される。 極低温対策を講じないと、タンク周囲の地盤が凍結する。 効率的かつ安全にLNGを貯えるには、このような極低温対策を含め、高度な設計・施工技術が要求されるばかりでなく、構造、材料にも厳しい条件が課せられている。
躯体  側壁、底版ともに厚さ1.6mの鉄筋コンクリート製で、土圧・水圧・地震力などのすべての外力に耐えることができる構造になっている。

屋根  耐圧・気密性を確保するため、屋根骨と厚さ7.6mmの鋼板で鋼製屋根を築く(機械メーカ施工)。 さらにその上を厚さ約0.5m〜1.2mの鉄筋コンクリートで覆う。

構造断面図
側部ヒータ  タンク側部の地盤凍結を防ぐため、側壁周辺地盤にヒータ管を埋設し、温水を循環させる。 底部ヒータ  タンク底部の地盤が凍結しないように、底版のコンクリート中にコイル状のパイプを配置し、ブライン(不凍液)を循環させる。
林立する銀色のパイプが側部ヒータ

コイル状のパイプが底部ヒータ

メンブレン(membrane=膜)
 タンク内部には、直接極低温のLNGに接しても、液密性、気密性を保てるように厚さ2mmの低温用鋼材であるステンレス薄鋼板を貼っている(機械メーカ施工)。
 
メンブレンを貼る前のタンク内面
LNGはここに貯蔵される
(銀色に輝くステンレス薄鋼板がメンブレン)


写真は鹿島月報より転載

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