21世紀の街づくりをめざして
人と環境に優しい街づくり
住宅づくりは建物単体からではなく、街づくり、環境づくりから始まり、住環境の整備と地域や周辺環境との調和が大切である。このような考えのもと、当社は地球環境負荷低減、環境影響評価、環境共生などの諸技術やノウハウを基礎として、トータルな街づくりの提案を積極的に行っている。
また、建築面においては、来るべき高齢化社会への対応型住宅として、バリアフリーを積極的に企図している。バリアフリー住宅とは、床の段差をなくし、廊下や浴室などは車椅子でも移動できるように、スペース、勾配などに考慮したもので、当社は建築計画立案の段階から取り入れている。
外構面においても、従来の計画に、擁壁や法面を緑化したり、太陽光を利用したり、雨水を利用して建物の周りに自然に近い水系をつくり環境共生を取り入れるなど、さまざまなアプローチによって、人と環境に優しい街づくりのテーマを具体化させている。
新検見川マンション
新検見川マンション計画は、幕張新都心から北東に約3haの自然の残る閑静な住宅街にある。約38haの区画整理地区の中心に位置する約6.7haの中高層住宅ゾーンで、中央に14階建ての高層集合住宅3棟、その周辺に5〜9階建ての中層集合住宅14棟を分散配置し、周辺の戸建住宅との調和を図っている。
高齢者、幼児に優しい企画として、一般住宅にバリアフリーを取り入れたものや高齢者同居住宅(多世代同居住宅)を提案している。
また、周辺の自然環境と同化するオープンスペースを創出し、建物や積極的に緑化を取り入れ、新しい住環境づくりを行っている。
●場所:千葉市花見川区瑞穂2 ●発注者:当社開発総事業本部 ●設計:当社設計・エンジニアリング総事業本部、MIDI綜合設計研究所 ●規模:高層棟−鉄骨鉄筋コンクリート造 地上14階 中層棟−鉄筋コンクリート造 地上5〜9階 延べ141,475平方m ●工期:1995年1月〜2000年3月 (東京支店施工)
揺れない、壊れない、安全な街づくり
免震構法は、ゴムと鉄板が幾層にも重なりあった「積層ゴム」で建物全体を地盤から浮かし建物への地震入力を低減させるものである。大地震の時は、地震応答加速度の1/3〜1/5に低減できるため、建物全体はもちろんのこと、設備機器・仕上げ材・建具などの二次部材の破損を防ぎ、さらに家具の転倒・落下による被害も最小限に抑えることができる。また、交通振動などの微振動も低減することができる。この免震構法を集合住宅に採用することで、構造部材の低減ができる。建物の規模によっては鉄骨鉄筋コンクリート造を鉄筋コンクリート造で構築することが可能となり、柱・梁のサイズを小さくすることができ、設計の自由度が高く豊かな室内空間の確保が可能となる。

これからの高齢化社会に向けての配慮を第一に考え、「高齢者にやさしいまちづくり」をテーマに、当社の開発事業である埼玉県の志木ニュータウン隣接地に建設中のプロジェクトである。高層棟(14階建て)2棟、低層棟(8階建て)1棟で構成され、バリアフリー対応住戸、リビング重視型、子供室重視型、そして大型バルコニー型住戸など、それぞれ特徴を持たせたつくりになっている。
各棟に免震構法を採用しており、特に高層マンションとしては日本で初めての採用となり、安全性、居住性に一層の配慮をしている。
●場所:埼玉県志木市館2-345-10外4筆 ●発注者:当社開発総事業本部 ●設計:当社設計・エンジニアリング総事業本部 ●規模:高層棟−鉄筋コンクリート造 地上14階 中層棟−鉄筋コンクリート造 地上8階 管理棟−鉄筋コンクリート造 地下1階、地上2階 延べ20,965平方m ●工期:1995年3月〜1996年12月 (関東支店施工)
写真は鹿島月報より転載
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