建築と街づくりの融合による新しい都市住居
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幕張ベイタウン・パティオス3番街
幕張ベイタウンは幕張新都心の一角に位置し、総敷地面積84ha、全体完成時には8,900戸のニュータウンとなるプロジェクトである。都市プランナーと事業主と建築家の密接な協力による街づくり、住まいづくりとして、21世紀を指向した新しい都市居住の姿を模索して、さまざまな試みがなされている。
にぎわいのある街並みと調和のとれた都市景観を実現するために、各街区はヨーロッパ式の沿道型住宅になっており、それぞれに個性的な中庭が生まれた。また、街路に面するファサードは、個性と変化を持たせるため、街区ごとに複数の建築家による異なった建築デザインを採用している。
パティオス3番街は、幕張ベイタウンの第1期竣工6街区のひとつで、当社を含めた4社の共同設計によるものである。街路側は各設計者の個性を活かした多様性を、中庭側は各々の持つ多様性を集大成し調和を求めたものといえる。当計画の見せ場である中庭は、中央に透過性のある集会室を配置して、街路側のパブリックな空間と奥のプライベートな空間という、2つの空間をつくった。街路側の中庭が水をテーマにした人工的な石貼なのに対し、奥の中庭は芝で覆われた築山という自然を強調したものになっている。
住戸は、構造上建物全体をリング状に固め、2階以上は壁構造に近い形式とすることによって、内部の柱型、梁型をなくす工夫がなされ、自由度の高いプランニングが可能となっている。日本ではあまりなじみのない沿道型住宅であるが、両面にバルコニーを設けるなど、日照、通風、プライバシーの保護がすみずみまで配慮されている。
写真は鹿島月報より転載
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