特集:500号記念


その3
社内報KAJIMAが
できるまで!
1959年(昭和34年)の11月号から数えて,今回ついに500号!
今回は500号を記念して「KAJIMA」がどのようにして編集,印刷され,皆さんのお手元に届くのかをご紹介します。

 1 企画
 何事も企画が肝心。特集のテーマは?どこの現場を紹介しようか?会社の動きや業界の方向性などを踏まえ,テーマ選定に頭を悩ませます。そんな私たちの強い味方が,月に一度の「KAJIMA編集会議」。各部署から編集委員に集まっていただき,3か月先の特集のテーマ等について討議します。「この特集,こういう切り口で攻めたらどう?」「この現場,夏ごろ見時だよ」等という貴重なご意見をいただき,テーマを決定。
企画
秘書室や経営企画部,営業や技術系部署等から,「頭脳」が集まる

 2 取材・編集
 編集会議でのご意見をもとに取材を開始。担当部署にヒアリングに行ったり,現場に赴き写真を撮ったりインタビューをしたり。取材した内容を頭の中で咀嚼して,再構築。原稿をいざ,書く。足りない写真を手配する,レイアウトのイメージを膨らませる。この写真を大きく使おうか,それともこっちにしようか?もっといい表現,ないだろうか?気に入らない!最初から書き直し!なんてことも・・・。一番楽しくて,一番つらい時間。
取材 編集
写真の撮影も大切な仕事のひとつ 赤ペン片手に苦悩する編集長

 3 レイアウト・校正
 原稿と写真,図版などが揃ったらレイアウト作業に入ります。デザイナーに原稿と写真を渡して自分のレイアウトイメージを伝えます。現在「KAJIMA」はDTP*1で制作されています。デザイナーはモニター画面上で文字や写真の配置を考え,各スペースに文字データや写真データを貼り付けていきます。そのデータをプリンターから紙に出力して校正します。カラーでレイアウトのイメージが確認できるカラーカンプが出てくると,印刷物に近づいてきたという感じがしてきます。
レイアウト・校正
カラーカンプを前にデザイナーと打ち合わせ
*1 DTP(DeskTopPublishing)
パソコン上のレイアウトデータをそのまま印刷用のフィルムに出力し,製版データとして利用できるシステム。従来製版に比べ製版作業が簡単に行えるほか,印刷会社に入稿した後でないとできなかった校正が,レイアウト作業の時点で行えるなどメリットが多い。

 4 入稿・製版
 修正が終わったら,いよいよ入稿。デザイナーが作ったレイアウトデータと出力見本,写真を合わせて印刷会社に渡します。印刷会社ではまず写真原稿をスキャナでYMCK*2の4色に分解します。どんな写真もこの4色の網状の点の強弱で表現されているのです。スキャンした写真データを,レイアウトデータのアタリデータとパソコン上で差し替え,イメージセッターという機械から印刷用のフィルムを出力します。フィルムもYMCK4色分,4枚が必要です。そのフィルムからPS版というアルミ版に転写して校正用の刷版を作成し,校正刷りを行います。
入稿 製版
レイアウトデータに,スキャニングした写真データを貼り込み,印刷用のフィルムを出力する *2 YMCK
  Y(イエロー=黄),M(マゼンタ=紅),C(シアン=藍),K(ブラック=黒)の4色。原理的にはY,M,Cの3色であらゆる色が表現できるが,印刷はこれに黒を加えた4色で行う。
YMCK

 5 色校正
 校正刷りは本番印刷に使う紙とインキを使って行うため,最終仕上がりに最も近い状態と言えます。ここで色味を中心に最終確認します。印刷は4色のインキの強弱で行っているので,写真原稿と見比べて,「赤みが強い」とか「黄みを抑えて」などという指示をします。このときに最終の文字のチェックも行います。
色校正
デザイナー,大日本印刷の担当者と共に色校正。「この写真はM版を落として・・・」と指示

 6 印刷・製本
 こうして校了(訂正箇所がまったくない状態のこと)になったらいよいよ本印刷。色校正での修正を反映させたフィルムから印刷用の刷版を作ります。印刷は4色・4枚のPS版の内容がブランケットを介して順次紙に転写されていきます。印刷も近年は電子化が進み,インキの量もデータにより自動で設定されます。しかし,印刷中も定期的に刷りの状態をオペレーターが目で確認し,手作業でインキの量を微調整します。
 印刷が終わると製本作業になります。印刷物は複数のページをまとめて1枚の大きな紙に印刷します。印刷が終わった紙を折り畳んでいくとページ順になるというわけです。折られた紙を順に重ねて,ホチキス止め,天・地・小口の三方向を裁断して,梱包,そして紐かけまでの一連の作業が,すべて機械化されていました。あっという間に50部ごとの梱包の山が出来上がり。そして,全国の社員の皆様のもとへ届けられるわけです。
印刷 製本
1時間に10,000枚を印刷する能力がある4色高速印刷機
製本から梱包までを一貫して行う製本工程

KAJIMAなんでもデータ

1 発行部数
 現在,KAJIMAの発行部数は毎月約42,000部。内訳は当社社員分(関連会社,OB含む)が約15,000部,営業用が約27,000部。42,000部を1冊ずつ積み上げると,その高さは約152m。これはおよそ40階建てのビルの高さに相当します。
発行部数

2 紙
 KAJIMAは,新聞古紙100%の再生紙を使用しています。ロイヤルコートという種類の紙で,キク判(636mm×939mm)という大きさの紙に印刷しています。42,000部の重量は約6.200kg。これは成人男性の約90人分。
紙

3 写真
 KAJIMAに使用される写真の数は毎号約100枚前後。ポジフィルム,紙焼きの他に,近年はデジタルカメラで撮影したデジタル写真という場合もあります。しかし,デジタル写真の場合,解像度が300dpi以上なければ印刷には使用できません。現状ではほとんどがポジフィルムや紙焼きを使用しています。
写真



KAJIMA500号の変遷
これからの社内報「KAJIMA」をどうする―編集者達の座談会
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