特集:高速道路トンネルを地下鉄直下に建設する

Chapter 1 概要
神戸高速鉄道(黄色線)の直下を阪神高速道路(白・赤色線)が交差する。赤色線は当社JV工区 神戸市須磨区白川と長田区南駒栄町を結ぶ延長9.5kmの阪神高速道路31号神戸山手線は,住宅開発が進む神戸市西部地域の交通の円滑化を図る目的で計画された。2005年4月に,7号北神戸線と接続する白川JCTから7.3kmの長田出入口ICまでが部分開通し,長田交差部工事を含む残りの2.2kmの建設が行われている。
 阪神高速道路の神戸高速鉄道長田交差部工事は1999年にスタートした。神戸高速鉄道・高速長田駅の西約200m地点で鉄道と道路を地下交差させる工事である。交差距離が120mに及んだのは,周辺住宅街の直下にトンネルがかからないよう配慮したためだ。
 神戸高速鉄道は,神戸電鉄,山陽電鉄,阪急電鉄や阪神電鉄が乗り入れ,1日約16万人の通勤・通学客を運ぶ交通の大動脈となっている。工事は,その運行に支障をきたさないよう,地下鉄線路を収容する総重量約1万9,500tの箱型構造物(鉄道函体)を,96本の鋼管杭とその頂部に設置した油圧ジャッキ計120台で支えながら,この鉄道函体下部に高速道路となる高さ15m,最大幅32mのコンクリート製ボックスカルバートを建設するものである。
阪神高速道路長田交差部工事
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※ボックスカルバート:鉄筋コンクリート製の暗渠(あんきょ)
地上部では県道神戸明石線が通る 地下部には神戸高速鉄道が走る。各社の車両が乗り入れている

 Chapter 1 概要
 Chapter 2 軌跡
 Chapter 3 現況
 column   都市部の地下構造物建設で活躍する・・・・・・アンダーピニング工法