航空新時代を拓く

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■各地で進む空港整傭■

 国内各地で空港の整備・新設が進み,ジェット化大型化も相俟って,空の旅が日常的なものとなって久しい。また国際化の進展により,国際航空需要も年々押し上げられている。 わが国の空港整備は,今回紹介した関西国際空港と新東京国際空港(成田)2期工事東京国際空港(羽田)沖合展開を三大空港プロジェクトと位置付け,推進するとともに,一般空港の新設,滑走路の延長などにより,航空ネットワークの充実,使用機材の大型化に対応している。 成田空港第2旅客ターミナルビルの開業,羽田空港のターミナルピル移転,新千歳空港の開業,福岡空港第2ターミナルルの新築,庄内,福島両空港のオープンなど,過去2〜3年に限っても,空港整備に関する話題は数多く見受けられる。当社もこれらの空港整備に数多くの役割を果たしている。 平地の少ない日本の地理的条件の中で空港を建設するためには,丘陵地や山間部を切り拓いたり,大規模な埋立地や人工島を造成するなど,高度な技術力を必要とする大規模な土木工事が行われるケースが多い。このような大規模土工の技術と経験に関して,鹿島は他の追随を許さない水準を有している。  また,巨大な旅客機を収容する格納庫や,数多くのサテライトを持つ大規模ターミナルピルなど空港施設の建設に際しても,大空間架構技術や高度な建築施工技術がものを言う。 特に空港が稼働している場合は,輸送の安全を確保するために,高さ制限などの様々な難条件を克服しなくてはならないのでなおさらである。

■進化しつづける空港都市■

 かつて宿場町や港町,鉄道駅が果たした役割を空港が担うようになりつつある。人やモノの移動の結節点として,交通や物流の拠点としての役割を果たすことはもちろん,コンベンション都市や高度な技術が集積された臨空工業都市の立地など,空港それ自体の進化と周囲へのインパクトは,空港都市の可能性をまさに,無限に発展させようとしている。  空港の進化に対応して,人々の生活もますます便利なものになってゆく。  鹿島はこれからも最新の技術を駆使して,各地の空港整備や周辺の開発に大きな貢献を果たしてゆくことだろう。

■羽田空港沖合展開事業と鹿島■

 羽田空港(東京国際空港)は,わが国の国内航空路線網の要の空港として,重要な役割を担っている。 この空港では年々増加する国内航空需要に対応するための沖合展開事業が進められている。 昨年9月には第II期工事として新ターミナルピル”ビッグバード”などが完成し,空港の面目を一新したことは話憶に新しい。 今後は,新C滑走路,東側ターミナル施設,新B滑走路を新設する第III期計画が進められている。これが完成すると羽田空港は面積約1,100ha,滑走路処理能力年間約23万回の能力を持つ大空港となる。  当社は羽田沖合の埋立・地盤改良など基盤整備からターミナルビル地下のモノレール駅,首都高速の羽田第2トンネル,共同溝などの土木構造物,西側ターミナル地区の構内道路舗設を含む修景工事,ターミナルビル,立体駐車場,日本航空や日本エアシステムの格納庫などの建築工事に至るまで様々な施工を担当,現在も引き続き第III期計画部分の地盤改良工事を施工中である。 なかでも日本航空の西側格納庫工事では,100m×200m,総重量6,130tにのぼる大屋根を地上で組立て,油圧ジャッキで所定の位置まで押上げるプッシュアップ工法を採用,大きな成果を上げた。 この工法は高さ制限のある場所での施工に抜群の威力を発揮するとともに,安全性の確保,仮設材の節約,工期の短縮を実現して各方面から注目された。

■新東京国際空港■

 1978年に開港した新東京国際空港(成田空港)はわが国国際線の表玄関として大きな役割を担っている。 年間利用客数は2,200万人を越え,貨物取扱量は142万t(1993年度)とば世界一である。 この間1991年にはJRと京成電鉄がターミナルビルの地下に直接乗り入れるようになって,アクセスが改善されたのに加えて,1992年12月には第2旅客ターミナルビルが完成(当社もJVで施工に参画),オープンするなどの動きが見られた。今後の2期工事の進展は運輸省と反対派,地域住民との対話にかかっており,各方面からその動向が注目されている。

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