特集:洪水から都市を守る

東京都
神田川・環状七号線 地下調節池

地図 善福寺川
善福寺川




 東京・神田川周辺地域の洪水被害を軽減するために造られた神田川・環状七号線地下調節池は,早期の事業効果を期待して第一期と第二期に事業が分割して行われている。第一期工事で当社は,内径約12.5mという4階建のビルがすっぽりとおさまる世界最大級のシールドトンネル(延長約2.0km)を施工した。このトンネルと神田川からの取水施設は,既に1997年から約24万m3の水を取り込む調節池として供用が開始されており,周辺地域の浸水被害軽減に大きく貢献している。
 現在,その第二期事業が進んでおり,当社では善福寺川取水施設立坑工事と取水施設から神田川調節池につながるシールド工事を担当している。
 善福寺川から水を取り込む取水施設となる立坑工事は,深さ51.3m,内径23.0mの立坑及び取水施設が入るスラブ等を構築する工事である。その立坑を発進立坑として既設の神田川調節池に達する延長約145mのシールドトンネル(内径約6.4m)を施工する。現在は発進防護工を行っており,来年春に掘進開始の予定である。神田川に続き,善福寺川からも取水を開始することで下流域の浸水被害の更なる軽減が期待されている。

善福寺川取水施設立坑
善福寺川取水施設立坑 ここを発進立坑として調節池に達するシールドトンネルを掘る

既に供用を開始した神田川調節池(第一期事業)
既に供用を開始した神田川調節池(第一期事業)

神田川・環状七号線地下調節池(第二期)
善福寺川取水施設工事(その2)
場所 東京都杉並区堀ノ内2丁目地内
発注者 東京都
設計 東京都建設局(パシフィックコンサルタンツ)
規模 立坑本体工―内径23.0m,深さ51.3m, 掘削土量33,110m3,コンクリート量 7,403m3
工期 1998年9月〜2000年11月
施工 東京支店JV施工

神田川・環状七号線地下調節池(第二期)
善福寺川取水施設工事(その3−2)
場所 東京都杉並区堀ノ内2丁目地内
発注者 東京都
設計 東京都建設局(パシフィックコンサルタンツ)
規模 発進防護工(Superjet―Midi工)シールド 工事(泥水式シールド工法,延長145.57m, セグメント外径6900mm,内径6400mm)
工期 2000年3月〜2001年9月
施工 東京支店JV施工

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