特集:「はやて」は北へ

Chapter1 延伸事業の概要

東北幹,新青森StBL他工事

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 東北新幹線は,1973年に整備計画が決定。その後の工事計画は段階的に実施されてきた。1982年の大宮−盛岡間の開業を皮切りに,2002年までに東京−八戸間(593.1km)が開業。現在,2010年度末の完成を目指し八戸−新青森間(81.2km)の建設を急いでいる。将来は新青森駅を起点とする北海道新幹線(新青森−新函館,一部区間は既に着工済)と接続される予定だ。

 八戸−新青森間が開業すれば,東京−新青森間の所要時分は,最高速度260km/hの場合で約3時間20分とされているが,東日本旅客鉄道(JR東日本)では新青森駅への延長開業時に,宇都宮−盛岡間で最高速度320km/hでの営業運転を検討しており,所要時分は3時間以内となる見通し。在来線のJR東北本線(八戸−青森間)は,第3セクターの青い森鉄道に移管されることになっている。

 延伸中の八戸−新青森間は,3市5町にまたがる延長約81.2kmの整備新幹線で,新たに七戸駅(仮称)が誕生するほか,複線断面の陸上トンネルとしては世界最長の八甲田トンネルをはじめ,トンネル部分が全区間の62%を占める。着工から9年。残る主な大規模工事は,新青森駅周辺の高架橋工事と駅舎,並びに七戸駅(仮称)になった。

 当社はこの延伸事業の中で,八甲田トンネルの建設工事と,新青森駅周辺の高架橋工事他に携わってきた。
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小繁地区周辺(写真:「日本鉄道請負業史」より)鉄道の鹿島 
 当社(当時,鹿島組)が最初に取り組んだ鉄道工事は,1880(明治13)年着工の柳ヶ瀬線(官設,現在は廃線)だが,その後全国各地の鉄道建設に関わり,「鉄道の鹿島」の名を馳せた。1888(明治21)年には日本鉄道会社による仙台−青森間の鉄道建設を請け負い,3年後の1891(明治24)年9月に完成させた。これにより東北本線上野−青森間が全線開通した。東北本線は後に1906(明治39)年の鉄道国有法施行により国有化された。

 chapter 1 延伸事業の概要
 chapter 2 当社の担当プロジェクト
 chapter 3 東北新幹線全線開通を待つ青森