都市型高度情報本社ビルに…

 企業の本社ビルには、会社の中枢機能を持つコンピュータや、通信施設などさまざまな情報機器が多く整備され、これらが企業に果たす役割はかなり大きい。 高度な情報処理機能を保護するため、そして働く人に快適な居住性を提供するため,都市型高度情報本社ビルに制震システムは必要不可欠なものとなっている。
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ユニークな形をした超高層ビル

同和火災フェニックスタワー

 大阪市北区の同和火災フェニックスタワーは、同和火災海上保険大阪本社、多目的ホール、レストランなどで構成された超高層複合ビルである。 地下3階,地上29階建て、高さ145mで、この高さのビルとしては建築面積は狭く、上部に行くほど細くなり、頂部は2つの塔に分かれたユニークな形をしている。
 都市のシンボルともなるこの高度情報本社ビルでは、同時に地震や強風時の不快な揺れも許されない。 そのため、双頭部には2方向制御のアクティブ制震装置「DUOX」がそれぞれ1基ずつ設置されている。


経済的に揺れを低減した高層ビル

JALビルディング

 日本航空とそのグループが入居するビルとして、東京ベイエリアの一画・天王洲に建設中のJALビルディングは、地下1階、地上26階建ての高層ビルである。 ここでは、地震の揺れを低減し建物の安全性を経済的に達成するために、高性能オイルダンパHiDAMを合計120台設置している。 HiDAMは、大地震時の建物の揺れを半減させ、建物の受ける地震力を大幅に低減するため、構造体の軽量化にも寄与する。 安全をモットーとする企業の本社にふさわしく、大地震にも安全で揺れの小さなビルが誕生する。


必要な部分だけを免震にした中・低層ビル

さくら浦和ビル

 埼玉県与野市にあるさくら浦和ビルは、大手都市銀行の電算業務の拠点で、1フロアのほぼ全体がコンピュータフロアとなっている。 KIFS(カジマ・アイソレーション・フロア・システム)は、情報機能の中枢となるコンピュータを大地震から守る床免震システムで、これにより中・低層ビルの上層階にもコンピュータフロアを設置することが可能である。 同ビルは、BB−Sタイプ(水平・上下免震型/コイルスプリング)の免震ユニットが126台使用されている。


写真は鹿島月報より転載

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