テナントビルに…

 都市に立地する建物は、敷地面積・形状・法的規制・近隣状況など、さまざまな制約の下に計画され建設される。 厳しい立地条件を制震技術により克服し、より快適な執務空間を実現したテナントビルを紹介する。
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交通振動を克服

東伸24大森ビル

 地下1階、地上9階、オフィスとショールームからなる東伸24大森ビルはJR東海道線、京浜東北線に隣接し、頻繁な交通振動にさらされている。 地震だけでなく、鉄道から伝わる交通振動をカットするため、ビル全体を積層ゴムで支え、地盤から分離する免震・防振構法を採用した。 困難な立地条件を克服して、安全性と快適な執務空間を持つインテリジェントビルを誕生させた。


建築面積を広くとる

京橋成和ビル

 間口4mの狭い敷地に建設された地上9階建て、高さ33mの超・超高層ビルに等しいプロポーションを持つビルである。 屋上に設置された大小2台のAMDシステムは、地震や強風時に起こる、細長いビル特有のねじれを伴う大きな揺れを制御する。 本来なら居住性を考えると5階建て程度までが限度である細長い建物であるが、本装置の採用により9階建ての建物が実現できた。 当ビルに採用したAMDシステムは、当社が世界で初めて実用化したアクティブ制震装置である。


高層・超高層ホテルに…

 高層・超高層ホテルには、眺望と同時に快適な居住性が求められる。 新宿・新都心にある新宿パークタワーは、オフィス、ホテル、レストラン、大型ディスプレイスペースなどを併せ持つ複合型インテリジェントビルである。 なかでも39階から52階までの高層部を占めるパークハイアット東京は都内でも屈指の超高級ホテルである。 ここでは、制震装置TRIGONが地震や強風時の揺れを制し、高級ホテルとしてふさわしい居住性を提供している。 TRIGONは39階部分に合計3台が設置されているが、省エネ、省スペースで駆動時の騒音や振動も小さいため、静かなホテル環境を保つことができる。


写真は鹿島月報より転載

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