これからの医療・福祉施設とは

医療福祉施設に関連する最新情報を提供します

これまで医療福祉施設は、厚生行政の診療報酬や介護報酬で定められた加算等の施設基準により誘導されてきました。また、本格化する高齢社会、増大する社会保障費の適正化に向けて、保健・医療・福祉分野の制度改革が進められています。これからの医療施設は、そうした社会、制度、医療技術等の環境変化にフレキシブルに対応できることも求められています。

さらに、医療の国際化と標準化が進む中、再生医療や医療関連イノベーションの促進、医療機関のパッケージとしての輸出や海外出資への国の後押しが拡大しています。このような国の動向を早期に捉え、的確に対応していくことは、医療福祉分野の安定した経営にとって大変重要です。

鹿島は、お客様の安定した経営に役立つ施設整備を念頭に、日本が得意とする粒子線治療やその他先端医療の施設整備、及び超高齢社会に相応しい医療・福祉施設のあり方について、早い段階からの計画立案に取り組んでいます。

医療政策の動向・施設基準
―― 早期に情報収集・提供し、施設整備に向けた的確な経営判断に貢献します

高齢社会の到来により、病床数の過不足と地域格差が予想される中、将来に向けた医療・介護サービス提供体制の見直しが求められています。

現在の推計では、高齢化率(65歳以上人口の割合)が2055年には4割に達すると予測されています。これが深刻なのは、「1人の若者が1人の高齢者を支える」社会(いわゆる「肩車型」社会)への変化だからです。加えて、これから起こってくるのは、高度成長期に首都圏をはじめとする大都市とその周辺に移り住んだ「団塊の世代」の大規模な高齢化です。

したがって、医療福祉施設をめぐっては、医療・介護サース提供体制の再編とともに、施設そのものの高齢化対応から、病院・高齢者住宅の併設等を通じたコンパクトシティ化に至るまで、これからも多くの課題が残されています。

図版:年齢区分別将来人口推計

年齢区分別将来人口推計

国は社会保障・税一体改革案において、医療提供体制の2025年モデルを示しました。そこでは、病院・病床機能の役割分担を通じてより効果的・効率的な提供体制を構築するため、「高度急性期」、「一般急性期」、「亜急性期」など、ニーズに合わせた機能分化・集約化と連携強化を図り、医療・介護サービスの適切な機能分担と居住系、在宅サービスを充実するとされています。今後、それぞれの医療機関は、地域医療の具体的なビジョンを考慮しながら、自院の機能選択・再編の難しい判断を迫られることとなります。

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図版:医療・介護機能再編に関する2025年モデルに向けた病院の機能分化イメージ

医療・介護機能再編に関する2025年モデルに向けた病院の機能分化イメージ

それぞれの施設の計画に当たっては、地域の医療需要の将来推計と照らし合わせながら、施設の規模や機能の検討を進めていくことが重要です。例えば、2030年の病床需給率をこれまでの病床数の参考規準をベースに計算してみますと、一般病床については埼玉、千葉、神奈川、愛知で100%を超えるものの、大部分の地域では過剰地域に転じることが分かります。一方、療養病床については、全地域で110%を超え300%に迫る地域もあることから、在宅医療の体制強化が必要な状況となるでしょう。

私たちは以上のような社会状況を踏まえ、病床転換を含めた医療・福祉施設の計画提案を実施します。

図版:国際医療福祉大学大学院 高橋泰教授の試算値をグラフ化

国際医療福祉大学大学院 高橋泰教授の試算値をグラフ化
・一般病床需給比率=参考基準一般病床数÷2009年参考既存一般病床数×100
・療養病床需給比率=参考基準療養病床数÷(2009年参考既存療養病床数+2009年参考介護施設対応可能数)×100
※但し、病床数には、病院と診療所を合算。また、介護施設には介護老人保健施設と介護老人福祉施設を合算。

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医療の国際化と質の評価
―― JCI認証取得の広がりと海外出資の拡大支援

医療の国際化が進み、世界の医療機関の間で、より高度な医療の質、患者安全を評価するJCI(Joint Commission International)認証の取得が広がっています。

JCIは14章からなる国際基準(1220測定項目からなる評価基準)による医療のプロセス中心の審査ですが、受審により、 「患者に対する安全意識の育成」、「医療の質の向上」、「病院管理技術の導入」、「災害に強い体制」などの成果が期待されています。

さらに、このような取り組みが広がることで、どこの国でも安心して医療が受けられるようになり、メディカルツーリズムの活性化が推進されます。 鹿島では、JCI認証取得を進めている医療機関に対し、施設面での支援を実施していきます。

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一方、国が主導して2011年に設立されたMedical Excellence JAPAN(MEJ)が、日本の優れた医療を諸外国に紹介するとともに、日本での治療・検査希望者へのサポート(初診予約、ビザの取得支援、宿泊・送迎・通訳の手配など)を行い、実施例の増加と共に知名度アップに貢献しています。

また、日本の医療技術を海外にパッケージで輸出するプロジェクトも進んでおり、医療を産業として捉えた国家戦略が徐々に具体化しつつあります。

鹿島では、このような拡大するアジア各国での医療環境の整備・拡充に向けて、今まで国内において培ってきた医療システムにマッチした建設エンジニアリングをはじめ、耐震・免震などの構造安全やランニングコスト抑制・省エネルギーなどを含めお手伝いできればと考えています。

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