水曜会:社内講演会の記録
第69回 2005年11月9日(水)
Andrew J. HallARUP
ファサードエンジニアリングの最前線
ファサード・エンジニアリングの最前線と題して行われたARUP社のアンドリュー・ホール氏の講演。
氏はもともと建築家として活動を開始し1994年にARUP社に参画。次第にファサード・エンジニアとしての手腕を発揮するようになり、現在はロンドン本社とグラスゴー支社のディレクターとグループリーダーを務め、同時に世界中で活動しているARUP社の専門家チームの調整も行っているという。自ら撮ったと思われる美しいカラースチールの膨大なイメージを映し出しながら最新のファサード・デザインの潮流について熱っぽく語ってくれた。
冒頭、ファサード・デザインを手がけるにあたってコミュニケーション・スキルの重要性を強調するとともに、スケッチの大切さに触れ、知的創造活動としてのプロダクト・デザインにも話が及んだ。本論のファサード・エンジニアリングについては、ファサードをTransparent Filterと定義し、金属、石、ガラス、コミュニケーション、それに実験という5つのキーワードが示され、プレゼンテーションが展開された。3つの即物的な概念とデザインをデベロップするのに大切と思われる2つの意識(状況)によって、相互に連関しながら一つの完成されたデザインへと昇華してゆくプロセスが、ゆっくりとした口調で穏やかに語られていった。

Andrew J. Hall